折|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
マイページで記事のブックマーク!
ログイン
マイページ登録

トップページ

特集

書評

連載

コラム

ニュース

読書人とは マイページ

漢字点心
更新日:2018年12月11日 / 新聞掲載日:2018年12月7日(第3268号)

このエントリーをはてなブックマークに追加
川合康三編『新編中国名詩選(中)』(岩波文庫)を読んでいて、気になる表現に出会った。八世紀の詩人、杜甫の「秦州雑詩其の一」の結びの句に「心折」とある。「心折れる」と読み、「意気阻喪する」ことだと、注が付いている。

「心が折れる」という表現は、けっこう新しいものだと思っていた。実際、『デジタル大辞泉』(小学館)には、「二〇〇〇年代半ばからスポーツ選手が多用」とある。しかし、「折」という漢字を心に対して比喩的に使う用法は、ずいぶんと昔からあったのだ。

調べてみると、中国文学での「心折」は、五世紀終わりごろの文章にも使用例があるし、さらにさかのぼって、二世紀の終わり、北方の遊牧民族に捕らわれて苦難の生涯を送った悲劇の才女、蔡琰(さいえん)の詩でも、用いられている。

こういった作品には、昔の日本人も接していたはずだ。それが二一世紀になって、新たなイメージで再登場したということなのかもしれない。(えんまんじ・じろう=編集者・ライター)
このエントリーをはてなブックマークに追加
円満字 二郎 氏の関連記事
ok
2019年6月18日
ok
2019年6月11日
ok
2019年6月4日
2019年5月28日
2019年5月21日
ok
2019年5月14日
ok
2019年4月30日
ok
2019年4月23日
漢字点心のその他の記事
漢字点心をもっと見る >
学問・人文 > 言語学関連記事
言語学の関連記事をもっと見る >