田原総一朗の取材ノート「一体どういう人間が決めたのか」|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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田原総一朗の取材ノート
更新日:2018年12月18日 / 新聞掲載日:2018年12月14日(第3269号)

一体どういう人間が決めたのか

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外国人労働者の受け入れを拡大する改正入管法が八日未明に、参院本会議で強行採決された。衆院も審議時間わずか一七時間で強行採決されている。

野党各党も、現在、都市、地方を問わず深刻な人手不足で、外国人労働者の受け入れを拡大すること自体には反対していない。それにしても、政府は、なぜ改正入管法の成立をこれほど急ぐのか。

現在技能実習生ということで日本にやって来て、実は月に一〇万円以下という低賃金で長時間働かされているアジア諸国の若者たちが、二六万人もいるとされている。

今回の改正入管法では、特定技能一号と二号が特定されて日本人なみの給料が支給され、一号の場合は五年間、二号だと本人の申請で期間が更新できるということだが、たとえば技能実習生のどのくらいが一号として認められるのか、まるで決まっていないのである。それに、どんな技能レベルになると、一号から二号に引き上げられるのかも、全く定まっていない。
それに、外国人労働者の受け入れを拡大する、というのも、具体的にどのような待遇にするのか、社会保障はどうするのかなど、具体的内容は何も示されていなくて、それを詰めるための国会審議も満足に行なわれていない。まるで政府は、内容についての審議を嫌がっているようである。

具体的な審議をすると、何か都合の悪いことでもあるのだろうか。

野党各党は、これでは政府に白紙委任せよといっているようなものだ。と怒っている。

それにしても、改正入管法の国会審議だが、安倍首相は、下から上がって来た文章を読んでいるだけで、安倍首相は改正入管法に具体的にはかかわっていないようだ。かといって、担当の法務大臣は、野党の突込みに対して、これから検討します、とくり返すばかりである。

つまり政府内でも、ほとんど詰められていないようだ。

そこであらためて疑問が生じる。改正入管法を、こんなに詰められていない状態で、しかも国会審議をなるべくやらないかたちでやろうと、一体どういう人間が決めたのだろうか。法務局幹部たちも取材したのだが、それがさっぱりわからないのである。(たはら・そういちろう=ドキュメンタリー作家)
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