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更新日:2018年12月26日 / 新聞掲載日:2018年12月21日(第3270号)

ひとは変われる
こだま

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作家デビュー二年目となる今年、大きな賞を二ついただいた。文化に疎い山奥暮らし、人付き合いが苦痛、心身の病気で転職ばかり、とことん運がない。そんなコンプレックスだらけの半生を自虐的に綴った『ここは、おしまいの地』が第34回講談社エッセイ賞を受賞した。何かの間違いじゃないか。無名の中年の日常を誰が好き好んで読むのだろう。受賞の驚きは言うまでもないが、高校時代から敬愛する作家の方々から選評をいただいたことが何よりも嬉しかった。
夫のちんぽが入らない(こだま)講談社
夫のちんぽが入らない
こだま
講談社
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また、私小説『夫のちんぽが入らない』は昨年に続いて「ヤフー検索大賞2018(小説部門)」を受賞した。前年比で最も多く検索された本のタイトルに贈られる賞である。この本にぴったりな賞かもしれない。ゴトウユキコさんによって漫画化され、来年はドラマ配信(ネットフリックス&FOD)も決まっている。まさかの展開だ。

この本は出版前から賛否両論だった。題名どおりの葛藤を描いているのだが、「入らない」のは性だけでない。人の輪、社会、教師として子供の心にも「入っていけない」。みんなが「普通」にできることも自分には難しい。いたって真面目な内容だ。誰しも外から見ただけではわからない問題を抱えている。そんな思いも込めて付けたタイトルだ。
とある評論家が「まだ世間に知られていない問題を明らかにすることが文学だ」と褒めて下さった。共感されなくても、「なんて下品な」と憤慨されても、同じような悩みを誰にも打ち明けられずにいた人が少なくなかったことは確かだ。どんな批判があろうと、「少数派」を自認する人たちが「自分の物語だ」と受け止めてくれたのが私は嬉しかった。無意味なんかじゃなかった。

私は40年以上も北の過疎地で暮らしている。雪かきはすれど、物書きになる未来など考えたこともなかった。引きこもっていた過去の自分に教えたい。何歳からでも人は変われる。そして周りの人たちのおかげで2018年は最高の年になったよ、と。(こだま=主婦、作家)
この記事の中でご紹介した本
夫のちんぽが入らない/講談社
夫のちんぽが入らない
著 者:こだま
出版社:講談社
以下のオンライン書店でご購入できます
ここは、おしまいの地/太田出版
ここは、おしまいの地
著 者:こだま
出版社:太田出版
以下のオンライン書店でご購入できます
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