田原総一朗の取材ノート「重大な出来事が起きた」|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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田原総一朗の取材ノート
更新日:2018年12月31日 / 新聞掲載日:2019年1月4日(第3271号)

重大な出来事が起きた

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今年最後の原稿になるのであろうか。年末になって、私自身どう捉えてよいのかわからない重大な出来事が起きた。

一八日に、政府は「防衛計画の大綱」と「中期防衛力の整備計画」を閣議決定した。
その中で、特に私が注目したのは、海上自衛隊の「いずも」型護衛艦を改修して、米国から購入した戦闘機F35Bが使えるようにする、ということだ。
政府は、憲法上、日本は専守防衛で、他国から攻撃を受けた場合に、自衛隊は「盾」となって防衛し、「矛」の役割を担って戦うのは米軍だ、と一貫して強調して来た。
だから、攻撃型空母は保有できない、として来た。
だが、「いずも」型護衛艦を改修して、戦闘機F35Bを搭載するというのは、あきらかに政府が一貫して強調して来た、専守防衛の枠組を超えることになる。
戦闘機を搭載すれば、当然戦闘機は敵を攻撃できる。つまり攻撃型空母として運用できるわけだ。
防衛大臣は、改修後の「いずも」に戦闘機を常時搭載するわけではないので、専守防衛の範囲内である、と記者会見で語っているが、これは詭弁というしかない。
それにしても、なぜここに来て、専守防衛をぶちこわさなければならなくなったのか。
たとえば、去年の夏頃は、米国のトランプ大統領が、北朝鮮の金正恩委員長をボロクソにいい、すぐにでも武力行使に及びそうな気配であった。そして、もしも米国が北朝鮮に武力行使すれば、北朝鮮は、韓国や日本に報復攻撃をする危険性が高い。だが、この時期には「いずも」の話はでなかった。
その後、六月一二日には米朝首脳会談が行なわれた。それに、なぜいま空母化の決定なのか。
実は、米国のマティス国防長官の辞任が決まった。そしてトランプ大統領は、かねてから日本の防衛力の強化、防衛費をGDPの二%にせよと迫り、米国の高い兵器をどんどん押しつけて来る。あるいは、こうしたトランプの要請に従う追従の一つではなかったのか。(たはら・そういちろう=ドキュメンタリー作家)
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