正義とは何か 現代政治哲学の6つの視点 書評|神島 裕子(中央公論新社)|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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更新日:2019年1月4日 / 新聞掲載日:2019年1月4日(第3271号)

「正義の哲学」の展開を追う
神島裕子『正義とは何か  現代政治哲学の6つの視点』

正義とは何か 現代政治哲学の6つの視点
著 者:神島 裕子
出版社:中央公論新社
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「公正な社会」とはどんなものか――。政治哲学者ロールズは、一九七一年に『正義論』を刊行し、公民権運動を経たアメリカ社会に大きな議論を捲き起こしました。

本書は、ロールズにはじまる「正義の哲学」の展開を追います。彼の立脚地であるリベラリズムを起点に、リバタリアニズム(自由至上主義)とコミュニタリアニズム(共同体主義)からの反論に加え、フェミニズム、コスモポリタニズム、ナショナリズムの議論を紹介。六つの立場から、正義とは何かを問い直します。貧困や難民など、現実の課題に政治哲学がどのように応えてきたのかを鮮やかに論じ、いかなる社会の仕組みがフェアなのか検討する内容です。

著者はまえがきで「君と私で合意できる正義は何かを考えよう」と力強く謳い、正義にかなった社会の実現に向け、読者とともに思考するように筆を進めます。

本書で問う「正義」の対をなす概念は、悪ではなく不正義、アンフェアです。

『正義論』から約半世紀。現在の国際社会を思い浮かべると、ポピュリズム、分断、不寛容……など民主主義を危うくする語句が頭をよぎります。国内に目を向けても、医学部の不正入試など、アンフェアだと憤りを覚える出来事が多くありました。

よりよい社会のために、個人がより自由に生きるために、哲学はどんな取り組みが可能か。今の時代にこのようなテーマの本が多く読まれることを、担当者として嬉しく思います。
この記事の中でご紹介した本
正義とは何か 現代政治哲学の6つの視点/中央公論新社
正義とは何か 現代政治哲学の6つの視点
著 者:神島 裕子
出版社:中央公論新社
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「正義とは何か 現代政治哲学の6つの視点」出版社のホームページはこちら
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