児童の世紀 書評|エレン ケイ( 冨山房)|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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更新日:2019年1月4日 / 新聞掲載日:2019年1月4日(第3271号)

子を持つすべての親にむけて

児童の世紀
著 者:エレン ケイ
出版社: 冨山房
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児童の世紀 (エレン ケイ) 冨山房
児童の世紀
エレン ケイ
冨山房
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十九世紀の終わりから二十世紀にかけてのスウェー
デンは、ヨーロッパの中でも文化の後れた貧しい農業
国であったが、産業革命による工業国に脱皮しようと
する大変動のさなかにあった。それ以前に、農業経済の商業化が進み、農村社会は分裂し、多数の無産労働者が発生した。彼らの生活は悲惨であった。

いっぽう工業の近代化によって、昔からの親方制度は縮小し、徒弟と見習いは、農村からはみ出した農業プロレタリアと一緒に自由労働者となって、工業地に集まってきた。彼らの賃金は安く、妻も子も家庭外で働かなくてはならなかった。児童からの労働搾取が、激しくなり、働く青少年の躾は全く顧みられなくなった。

いっぽう、市民社会の家庭では主婦の仕事は軽くな
り、子どもの教育は学校任せになってしまった。時間
に余裕のできた家庭婦人のあいだから、婦人解放運動
に参加して、男女の絶対平等を叫ぶ者が出るようにな
った。だが、彼女たちは、自ら働いて収入を得るだけ
の勇気がなく、結婚して主婦の座を守るのが、彼女た
ちの生きる道になった。

このように古い秩序が乱れてしまったスウェーデンの社会に、新しい方向を与えようとして立ち上がったのが、エレン・ケイであった。

彼女が著した『児童の世紀』は、子を持つすべての親にむけて児童教育と婦人の使命を説いたものである。家庭教育の重視、個性尊重、それを支える人間観等、今日にも通じる迫力に満ちている。
この記事の中でご紹介した本
児童の世紀 / 冨山房
児童の世紀
著 者:エレン ケイ
出版社: 冨山房
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