田原総一朗の取材ノート「政治に無関心な国民」|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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田原総一朗の取材ノート
更新日:2019年1月22日 / 新聞掲載日:2019年1月18日(第3273号)

政治に無関心な国民

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自民党の国会議員で、その言動が国民から非常に注目されている小泉進次郎氏が、私に次のようにいった。
「なぜか、日本の国民の大多数は政治に関心がないのですよね。大へん困ったことだと思いますが」
私も、同じ思いを持っていて、日本の大問題だと捉えている。
たとえば、他の先進国で、森友、加計疑惑のようなことが起きれば、当然ながら国民は連日大デモをくりひろげて、安倍内閣は倒壊していたはずである。
韓国で、朴槿恵(パク・クネ)前大統領を辞めさせるために、連日百万人デモがくりひろげられたが、朴槿恵前大統領は、実は強い対人恐怖症で、たまたま懇意に話ができる女性があらわれて、彼女のために財団などをつくってやったりしただけで、私は朴前大統領に同情さえしている。
それに対して、日本では大きなデモも生じず、マスメディアも倒閣とはほど遠い批判をくり返していただけであった。
野党にも、政権奪取の意気込みは全くなく、自民党議員たちは、いずれも森友、加計疑惑から目を逸らせていた。下手に森友、加計疑惑について発言して、安倍首相の御機嫌を損ねることを恐れていたのである。
つまり安倍首相のイエスマンばかりだったということだ。
国民の大多数が政治に関心を持っていないので、テレビのワイドショウなどでも、あまり政治を扱かわない。政治問題を扱うと視聴率が落ちるからである。
このところ、安倍内閣は、安保法案やテロ等準備罪、IR法案など、多くの法案について国会審議を満足に行なわないで強行採決をくり返している。
野党を馬鹿にしきって、また国民もあまり関心を示さないと多寡をくくっているのである。
いってみれば、やりたい放題だ。沖縄の辺野古では、県民の反対を無視しつづけて工事を強行し、「いずも」型護衛船に米国から購入したF35B戦闘を発着船できる、つまり事実上攻撃型空母化することに、マスメディアは「専守防衛からの逸脱」だと強く批判しているが、一切説明する気配がない。
こうしたことに対する危機感を、野党が、ではなく自民党の小泉進次郎氏が示しているのが興味深い。(たはら・そういちろう=ドキュメンタリー作家)
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