あっ! 命の授業 書評|ゴルゴ松本(廣済堂出版)|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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【書評キャンパス】大学生がススメる本
更新日:2019年2月2日 / 新聞掲載日:2019年2月1日(第3275号)

ゴルゴ松本著『あっ! 命の授業』
金沢星稜大学 山根 悠真

あっ! 命の授業
著 者:ゴルゴ松本
出版社:廣済堂出版
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本書のタイトルを初めて見て、みなさんはどう感じただろう。「命」という言葉に、少し重い内容ではないかと敬遠したり、「命は大切に…」なんてありがちな内容ではないか、と読む前から偏見を持つ人もいるのではないだろうか。しかも、裏表紙には「背景 命がけより心がけ」と書かれていて、ますますどのような本なのか分からない……。普段なら避けてしまいそうな内容、でも不思議とこのタイトルに惹かれて、私は本書を読んでみようと思った。
著者はゴルゴ松本氏。「いのち!」と声に出しながら全身で「命」の漢字を表現することで有名が芸人である。本書は「漢字・ことば」をメインテーマに、著者がこれまでにテレビや全国の少年院で行ってきた「ゴルゴ塾」の内容を学校の時間割に見立てて全6時間構成でまとめている。普段何気なく使っている漢字やことば、小学校1年で学ぶ五十音表一つとっても、私たちには到底思いつかないような解説で、誰もが心の中で蟠っている悩みや不安を払拭し、前向きな気持ちにしてくれる。
私はよく人と自分を比較し、「自分にはできっこない」と簡単に諦めてしまう。また、壁にぶつかったときにも乗り越えようと努力せず、避けて通る方法を考える癖がついていた。しかし、この本で漢字やことばの様々な捉え方に出会って、自分の中で物事に対する考えが変わっていった。なかでも心に強く残った話がいくつかある。その一つは「一つ足りないから辛い」である。誰もが辛いことから逃れたい、幸せな人生を送りたいと望んでいる。そして、一度辛さを感じるとなかなか幸せに辿り着けないような気がする。しかし“辛”という漢字は“幸”から一本少ないだけ。今がどんなに辛くとも、何か一つ加われば幸せになれる。だからすぐに諦めるのはもったいないのでは?と問い掛けている。
もう一つ紹介したい。「苦難、困難、災難が一つもなく、嫌なことがまったく起きなかったら、それは無難な人生で、一見幸せそうだけど、そんな人生を送れる人は、実は一人もいません。他人と比べて無難な人生だと思うだけ」だという。でも、なるべくなら辛いことが起こる人生は避けたいと思うのが人情であるが、ここで筆者は“難”の文字を使ってこう考える。苦しいこと・辛いこと、すなわち“難”が有ると書いて「有難い」。難がある人生はありがたい、だから意地になって避けるほど「難」は悪いものじゃないんだ、と。
今まで単なる暗記物としか捉えていなかった漢字学習が現実を生き抜く心の軸を作るためにいかに大切だったか、と反省までさせられるような、漢字やことば一つで人生の見方や考え方を変えてくれる話ばかりで、一度読み始めると最後まで一気に読みたくなる、そんな本である。
著者がこの本に示した漢字・ことばに難しいものはひとつもない。本当の意味での漢字の成り立ちに由来するものに加えて、著者の独特の解釈で書かれている。これまで意味や成り立ちについて深く学んでこなかった私にとっては、この本に出会えたことは本当に幸せだった。著者は「“吐”はくちへんに「+」「-」と書く」と言っている。みなさんもこの本を読んで、毎日“吐“いているいろんな言葉から弱音などマイナス(-)の要素を消していき、夢を“叶“えてみてはいかがだろうか。
この記事の中でご紹介した本
あっ! 命の授業/廣済堂出版
あっ! 命の授業
著 者:ゴルゴ松本
出版社:廣済堂出版
以下のオンライン書店でご購入できます
「あっ! 命の授業」出版社のホームページはこちら
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