パガニョーをたずねて 〝自分の木〟|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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パガニョーをたずねて
更新日:2019年2月12日 / 新聞掲載日:2019年2月8日(第3276号)

パガニョーをたずねて 〝自分の木〟

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©Sawako OBARA
わたしは自分の木を知っています、と村人が教えてくれた。カレン族ヒンラートナイ村では赤ん坊が生まれると、胎盤の一部を竹筒に入れ木に括る習慣がある。これはお父さんの役目で、選ぶ木は動物や人間が食す実のなるものが良いとされる。竹を木に括ると左手に持った石で叩き落とし、後ろを振り向かずに赤ん坊の元へ帰り、その手首にお守りの白い紐を結わくのだそうだ。仏教が信仰されるこの村でも、代々伝わる精霊信仰が生活や思想の基盤にある。

人間には37の精霊が宿るとされ、1つでも欠けると健康ではいられない。どこかで精霊を忘れてきた時や長距離の移動、旅行の際も白い紐を結う儀礼を執り行って祈る。

自分の木は生涯守り、村人が伐採することはない。村で生まれてひと月の赤ちゃんの木を見たが、それは特別な標識もなく風景に溶け込んでいた。村人の目にこの木はどう映っているのだろう? その眼差しの奥をもっと知りたくなった。
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