考え方 書評|稲盛 和夫(大和書房 )|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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【書評キャンパス】大学生がススメる本
更新日:2019年2月9日 / 新聞掲載日:2019年2月8日(第3276号)

稲盛 和夫著『考え方』
城西大学 川原 孝太

考え方
著 者:稲盛 和夫
出版社:大和書房
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考え方(稲盛 和夫)大和書房
考え方
稲盛 和夫
大和書房
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本書は京セラやKDDIを創立し、日本航空を経営破綻から救った稲盛和夫の経営哲学に関して記されている。私が本書に出会ったのは、普段はコンサルティング会社で勤務している大学の非常勤講師からの勧めだ。経営に興味を持っている私に経営者として大切なのは哲学だと教え、本書を紹介してくれた。

著者は人生を方程式で説明している。「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」という方程式だ。方程式の中で示される「能力」とは運動神経や頭の良さといった 多くは人に生まれつき備わったものである。点数で表せば0点から100点まであるといえる。「熱意」とは努力に通じるようなもので、物事に対してどれだけ燃えるような情熱を注げるかということである。これも個人差があり0点から100点まである。そして「考え方」とはその人の哲学や理念や思想のことだ。これには悪い考え方から良い考え方まであり、他の2つの要素とは少し違い、マイナス100点からプラス100点までの大きなふり幅がある。そのため方程式に大きく影響するので、「考え方」が最も重要な要素だと主張している。

皆さんは災難といわれるような困難や苦難に直面した時に苦しさに負けて世を恨んだり、人を嫉んだり、不遇を嘆き悲しんで不平不満を漏らしたことはないだろうか。これこそがマイナスの考え方である。それを常に前向きで肯定的にとらえ感謝の気持ちを持つことが重要であり、これがプラスの考え方なのだ。

本書は「考え方」について「大きな志を持つこと」「常に前向きであること」「努力を惜しまないこと」「誠実であること」「創意を凝らすこと」「挫折にへこたれないこと」「心が純粋であること」「謙虚であること」「世のため、人のために行動すること」の9つの章に分けられていて、それぞれの章に著者が大切にする考え方が著者の体験から語られている。

私は小学5年の頃に両親が離婚して、再婚するという経験をした。寂しさなどからマイナスな考えを持つことがよくあった。不遇を嘆き、不満を感じていた。しかし経営者として忙しい日々を過ごしていた父は出張を減らし、私が習っていたテニスやスキーは送り迎えをしてくれるなど、全力の支援をしてくれていることに気づいてからは、感謝の気持ちを持つようになった。そのように自分の考え方を変えると不思議と毎日の生活が楽しくなった思い出がある。私は善き考え方を持つことで人生を楽しいと思える経験をした。著者は「心が純粋であること」の中の「感謝」の項目で、「どんな境遇にあろうとも、愚痴や不平不満を漏らさず、常に生きていること、いや、生かされていることに感謝する。そのようにして幸せを感じる心を養うことによって、人生を豊かで潤いのある素晴らしいものに変えていくことができる」と言っている。水や食料といった地球環境への感謝から、家族や大学の友人、アルバイト先、私に義務教育を受けさせてくれた社会など、あらゆる方に支えられて生きていることに本書に出会って改めて気づいた。私は、今後の生活で世のため人のために、私心を持たず、皆様への感謝を忘れず生きていきたい。著者は「どのような「考え方」を選択するかによって、自分の人生を、素晴らしいものにつくり上げることもできれば、壊すことにもなる」と言っている。私にはまだ、考え方の選択によりどう人生が変わるかは分からないが、プラスに考えて生きていく方が楽しく感じられることは経験している。苦難苦境にあった時、ネガティブにとらえ、悲観に暮れるのではなく、これは自分の人生を素晴らしいものにするための格好の機会だととらえ前向きに、ポジティブに考えることが大切なことだと思う。 

生きているうえで不平不満があったり、物事がうまくいかなかったりしている方にもおすすめの一冊だ。
この記事の中でご紹介した本
考え方/大和書房
考え方
著 者:稲盛 和夫
出版社:大和書房
以下のオンライン書店でご購入できます
「考え方」出版社のホームページはこちら
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