『北斎 富嶽三十六景』 日野原健司編|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
マイページで記事のブックマーク!
ログイン
マイページ登録

トップページ

特集

書評

連載

コラム

ニュース

読書人とは マイページ

文庫日和
更新日:2019年2月12日 / 新聞掲載日:2019年2月8日(第3276号)

『北斎 富嶽三十六景』 日野原健司編

このエントリーをはてなブックマークに追加
関東から東海までさまざまな場所から描かれた富士山の浮世絵版画は、それぞれに固有の魅力を放っている。それは北斎自身が、定番に頼らない大胆さと幾何学的な厳密さを併せ持つ多彩な側面をもっていたからだろう。高くうねる巨大な波や宿場町に吹きぬける風の一瞬をとらえる、「高速でシャッターを切るカメラのような北斎の鋭い観察眼」は、プルシアン・ブルーのグラデーションや独特の透視図法によって唯一無二の色彩と構図を生み出す。

雪の富士を茶屋から見やる女性たちのふとした仕草や船頭たちの後ろ姿を通して、「鑑賞する私たちも、一緒に富士山を眺めている気持ちになる」から愉しい。

文庫版の見開きカラーとていねいな解説で、富士山の空間の豊かさを発見する驚きと歓びを味わうことができる。(229頁・1000円・岩波文庫)
この記事の中でご紹介した本
北斎 富嶽三十六景/岩波書店
北斎 富嶽三十六景
著 者:日野原 健司
出版社:岩波書店
以下のオンライン書店でご購入できます
「北斎 富嶽三十六景」出版社のホームページはこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加
文庫日和のその他の記事
文庫日和をもっと見る >
芸術・娯楽 > 美術 > 浮世絵関連記事
浮世絵の関連記事をもっと見る >