パガニョーをたずねて  〝野ネズミ狩猟〟|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
マイページで記事のブックマーク!
ログイン
マイページ登録

トップページ

特集

書評

連載

コラム

ニュース

読書人とは マイページ

パガニョーをたずねて
更新日:2019年2月18日 / 新聞掲載日:2019年2月15日(第3277号)

パガニョーをたずねて  〝野ネズミ狩猟〟

このエントリーをはてなブックマークに追加
©Sawako OBARA
野ネズミを捕えるわなを仕掛けに行く、と村の子どもたちが話すので連れて行ってもらった。彼らは遊びながらどんどん森の奥へ進むが、こちらは息を切らしてついて行くのに必死だ。同じ野ネズミでも集落で捕れたものは食べないらしいので、なるべく村から離れるのだろう。

ひとりが沢筋の急斜面を差して「野ネズミが通った跡だよ。」と教えてくれた。やはり私には何も見えない。首を傾げていると、彼らもまた不思議そうな顔をしてこちらを見ていた。お父さんが竹で作ってくれたわなを獲物の通り道にいくつか仕掛けて、村へ戻った。

まだ空には星が残る明け方、家畜の鶏と豚が騒ぎだした。窓を開けて外を眺めていると、昨日の少年がもう出かけるところだ。手を振ると、照れながら森へ向かって駆け出した。

収穫は二匹。お母さんに焼いてもらって食べる。「森の住人」とも呼ばれるカレンの人びと。この村では森も水も生きものも人間も、すべての生が循環していた。(おばら・さわこ=写真家)
このエントリーをはてなブックマークに追加
小原 佐和子 氏の関連記事
パガニョーをたずねてのその他の記事
パガニョーをたずねてをもっと見る >
人生・生活 > エッセイ関連記事
エッセイの関連記事をもっと見る >