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漢字点心
更新日:2019年2月19日 / 新聞掲載日:2019年2月15日(第3277号)

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太古の中国、伝説の帝王、尭(ぎょう)の宮殿には、不思議な草が生えていたという。なんでも、一日に一つずつ葉が生えて、一五日間で一五枚の葉がそろう。すると、翌日からはその葉が一日一枚ずつ散り落ちて、三〇日目に散り尽くす。人々はこれによって一か月の経過を知ったのだとか。昔の中国の暦は月の満ち欠けを基準としていて、三〇日の月と二九日の月とがあったが、二九日の月の場合は、葉っぱが一枚、落ちずに枯れるのだというから、念の入ったことである。

この草のことを、「蓂莢(めいきょう)」という。「莢」は「さや」と訓読みする漢字だが、ここでは葉っぱのことをいうらしい。一方、「蓂」の方は、どうやらこの草を表すために作られた漢字のようなのである。

そんな、いかにもフィクショナルな存在のためにまで、漢字がわざわざ作られるとは、ちょっとした驚きではなかろうか。漢字文明の底の深さとめんどくささを、同時に感じる次第である。
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