【横尾 忠則】「凱風快晴」そっくりの雲。 北斎の見方が変わる⁉|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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日常の向こう側ぼくの内側
更新日:2019年2月26日 / 新聞掲載日:2019年2月22日(第3278号)

「凱風快晴」そっくりの雲。 北斎の見方が変わる⁉

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2019.2.11
 三連休の最終日だからか、昼間の神戸屋は超満員。自転車で移動していると体力は落ちる。歩くことが病気を回避する、なんて発想は今までなかったのに、こんな習慣が生活の必須条件になるという年齢にいつの間にか来てしまったのだ。昼に神戸屋までトボトボ歩いて10分だけれど、この10分の距離は日々延長されていく感じだ。自分ではせいいっぱい早足で歩いているつもりなのに後から来たスマホを見ながらの女学生に追いつかれて距離は離される一方だ。誰にも文句は言えない。シャーナイやんけ! と諦めるしかない。
2019.2.12
 夢は記憶しようと思う意思がないと、夢は見ていても見ていない。

スカイザバスハウスの白石さんと梅村さん来訪。7年振りに個展を開くことになった。制作期間が3ヶ月しかない。画廊いっぱいに絵を埋めるためには超人になって別の時間を引き寄せるしかない。ニーチェのニヒリズムの世界で自らを超克して超人を目指すそんな面倒臭いことでは決してありません。
2019.2.13
 〈ココハドコノ駅ダロウ。ココニ入ツテ来ル電車ニ乗ツテ、次ノ駅デ降リテ、ソコカラマタ別ノ電車ニ乗ルト郷里ノ西脇ニ行クト言ウ〉 次から次へと電車を乗り換える夢だけれど、以前にも3回ばかり同じことを繰り返した記憶があるが、昨夜の夢の中で3回繰り返したのか、それとも以前にも同じ夢を見たのか? 夢の中の時間と現実の時間と、ぼくの中の内的時間のどの時間のことを言わんとしているのかさっぱり解らない。

〈西脇ノ蓬莱座ニ来テイル。入口ノ木戸ノオバサンガ電話デ話シテイル内容ハ明日、瀬戸内サンガ秘書ノマナホト編集者ノ3人ガ予約ヲ入レテイルノデアル〉そんな夢。

池江璃花子さんが白血病に。どうしてスター選手や人気俳優がこの病いに襲われるのだろう。

大坂なおみコーチを解消。心霊学的にはコーチは指導霊。または守護霊。指導する対象がどんどん進歩すると指導霊がついて行けず、選手交代をせざるを得なくなるという。それの現世版だ。

朝日新聞の大西若人さん来訪。公開制作とカルティエの肖像画集についての取材を受ける。公開制作はいつの間にか専売特許になってしまった。肖像画家と言われてもおかしくない程沢山描いてきた。300点近く描いてきたんじゃないかな。

夜、朝日新聞書評委員会へ。個展が控えているので、しばらくは月1本書けるかどうかだ。
2019.2.14
 大手Tシャツ会社が過去の作品を使用した各種衣料品を作りたいと、40点の試作をプレゼンテーションされる。その努力とエネルギーには圧倒されるが、デザインが過剰。足し算ではなく引き算の論理が必要。再挑戦してもらう。

1967年ニューヨークで会った絵本作家トミイ・アンギュラー(新聞ではウンギュラー)の死亡記事にいささか驚く。NYからアイスランドに移るといっていた。ミルトン・グレーザーの美人秘書サラと結婚したはずだが、娘の家で亡くなったということはサラと離婚したのかな?
2019.2.15
 神戸から学芸員の平村さん、次回展の展示プランの説明に。会場構成の有元利彦さんが作品を落し込んだ模型を持参。梅原猛作、茂山狂言の衣装や美術、小道具などをインスタレーションによって紹介。と同時に茂山狂言による「ぶす」を一階ホールで上演してもらうことになっている。また毎回、ゆかりのある人達の出演が人気を呼んでいる。過去の出演者=細野晴臣、林英哲、玉川奈々福、あがた森魚、玉置浩二、Ayuo、大野慶人、加橋かつみ、ちんどん通信、来月は 澤村謙之介など。
北斎作・富嶽三十六景「凱風快晴」そっくりの雲を見る

2019.2.16
 アトリエに行く途中、快晴の空に北斎の富嶽三十六景の『凱風快晴』の富士の背後の霊とそっくりのを見る。絵では抽象に見えるが、実は写実だったのが証明された。そのことで北斎の絵の見方が変わるかも知れない。北斎から未吸収、未消化の部分はいくらでもある。この遺産を見逃すわけにはいかない。A・Mさん来訪。初対面以来40年近くになる。18歳の時にUFOに乗船以来、今日までの宇宙体験の話を聞く。彼の知識と体験は多岐にわたり、聞き終ったあと不思議と気分が高揚する。
2018.2.17 快晴。アトリエで絵を描いたり、本を読んだり、書評を書いたり、仮眠したり、ゴマタイヤキを食べたり、ココアを飲んだり、日光浴をしたり、何もしなかったりの一日は爽快なり。

描きかけの大作を横目に小品3点描く。アシスタントに手伝わせる人もいるが、完成することより、そのプロセスを愉しむためには自分が描くべきだ。描きながら、どんどん変化していく、この快感を他人にまかせるわけにはいかない。(よこお・ただのり=美術家)
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