パガニョーをたずねて 最終回 〝刺青護符〟 小原 佐和子|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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パガニョーをたずねて
更新日:2019年3月5日 / 新聞掲載日:2019年3月1日(第3279号)

パガニョーをたずねて 最終回
〝刺青護符〟 小原 佐和子

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©Sawako OBARA


タイに古くから伝わる伝統のサクヤン(刺青護符)のあるおじいさんに会った。胸に彫られた文様は危険から身を守るためのもの。かつてヒンラートナイ村の森には、蛇など危険な動物がたくさんいたからだそうだ。

現在も豊かな森に囲まれる村では焼畑をはじめ、タケノコや蜂蜜といった自然の恵みを受ける。その一方で、山火事や不法伐採の監視などの管理を村全体で行う。折々には森の精霊信仰の儀式も執り行われ、彼らのアイデンティティーに大きな影響を与え続けている。

カレン族にとって自然とは人生の一部、命の一部なのだと教えられた。水、土、森、風が自分たち人間を養ってくれている、生を与えてくれている、だから自然を守るのだと彼らは語る。この小さな村では、森を中心に豊かで多様な生が渦巻いていた。太陽と共に生活は廻り、万物には精霊が宿る。彼ら自慢の森を歩き息を吸ってみると、濃厚な生の息吹に満ちあふれていた。自然は自然に美しく、シンプル。それはカレンの人びとそのものなのだった。(おばら・さわこ=写真家)
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