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更新日:2019年3月1日
/ 新聞掲載日:2019年3月1日(第3279号)
頁を開くたびに、新しい発見がある
昨年、池袋のジュンク堂書店で、柄谷行人さんの講演を、二度拝聴する機会に恵まれた。『世界史の実験』に繋がっていくテーマについて、各回二時間近くに及んだだろうか。その話す姿は、いつにもましてお元気そうに見えた。講演後に話しをすると、新しい本(本書)は、既にゲラにもなっているとのことで、早速拝読させてもらうことになった(刊行二ヶ月も前に、いち早く! 僥倖である)。以来、何度繰り返し読んだだろうか。頁を開くたびに、新しい発見がある。インタビュー中でも話題になったが、「実験の文学批評」は、久々の柄谷さんの文学批評である。年譜などをかなり詳しく遡ってみたが、島崎藤村をメインテーマに据えた評論はなかった(ように思う)。ジャン=リュック・ゴダールの新作『イメージの本』が、この五月に公開される。二〇一九年は、ふたりの偉大な表現者の〈新作〉に接することができた年として、記憶に刻んでおく。 (A)
この記事の中でご紹介した本
「世界史の実験」出版社のホームページはこちら

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