ここを伝えたい!本の編集者より 宇宙に関連するあらゆる分野の初学者、また、人類の未来について考えてみたい方に! 宇宙を生きる ~世界を把握しようともがく営み~ 磯部 洋明|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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更新日:2019年2月28日

ここを伝えたい!本の編集者より
宇宙に関連するあらゆる分野の初学者、また、人類の未来について考えてみたい方に!
宇宙を生きる ~世界を把握しようともがく営み~ 磯部 洋明

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「宇宙を生きる」…分かるような、分からないようなタイトルだと思われたかもしれません。この本は、「宇宙」を入り口としながら、研究とは、学問とは、そして私たちはどのように生きたいのか、という思考まで連れていってくれます。読後には、まさに、私たちは今、「宇宙を生きて」いることを実感できるに違いありません。


それは、たとえば、こんなふうに。
「地球以外の天体に移住したり、生命そのものを改変したりといった、自分たちの生のあり方自体を技術的に変えてしまうことが工学的研究によって現実味を帯びてくると、そもそも私たちはどのような社会を作り、どのように生きたいのか、という問いを根底から考え直す必要が出てきます」。

第3章コスモスからカオスへ の章扉イラストは、人間ではないけれど、人間が改変されていった生物かも知れない、という仮想宇宙人と、宇宙服を着た人間との出会いを描いています。私たちは、今、こういう世界を生きているのか!と、はやぶさ2の活躍に喝采を送りつつ、改めて考えさせられます。
磯部 洋明氏
著者の磯部洋明さんは、太陽を研究する宇宙物理学者です。ご自身の太陽の研究を深めていく事例を元に、「研究とは“何が問題なのか”をうまく切り取れるかどうかが勝負」という、研究者にとって真剣で重要な問題が、分かりやすく説明されます。

宇宙物理学は、宇宙における様々な現象に対して、物理学を使って説明を与えてゆくこと。では、「物理学を使って世界を理解する」ということとは?

宇宙研究の最先端も書かれているのに、文系の編集担当でもすいすい読み進められる本書は、画期的な宇宙本です!
物理学を使って世界を理解する、ということの説明に「磁気流体力学の方程式」が使われるのですが(私には、この方程式はさっぱり分からないのですが、磯部さんは「この方程式が好きすぎて…」とのこと。方程式を愛する気持ちに私も人生一度でよいから、なってみたかった、と思います)、それでも、物理学を使って世界を理解するということ、については、理解が進むのです!これは、快感。
宇宙を新しい土地と考えたときに、レヴィ・ストロースやハンナ・アーレントがかつて考えた視点が今も生きることを著者は指摘します。
20世紀後半にフリーマン・ダイソンという理論物理学者が、書いた「Time without end」という論文も紹介されます。磯部さんが最も重要だと考えるこの論文のメッセージは、イントロダクションに書かれている、として、磯部さん自身の和訳つきで紹介されます。
これは、必読です。
研究とはどのように進んでいくべきなのか、という示唆に富んだ内容であり、宇宙に関連するあらゆる分野の初学者、また、人類の未来について考えてみたい方に、お勧めの一冊です。装丁・挿画ともに、イラストレーターの中村ユミさんに描いていただきました。(カバーをはずせば、シンプルなグレーの表紙が現れます)。あわせて、お楽しみください!
この記事の中でご紹介した本
宇宙を生きる~世界を把握しようともがく営み/小学館
宇宙を生きる~世界を把握しようともがく営み
著 者:磯部 洋明
出版社:小学館
以下のオンライン書店でご購入できます
「宇宙を生きる~世界を把握しようともがく営み」出版社のホームページはこちら
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