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更新日:2019年3月15日 / 新聞掲載日:2019年3月15日(第3281号)

菊地成孔・冨永昌敬(司会=福島勲)公開トーク載録
デュラス/ゴダール対話と映画の夜
トークイベント『ディアローグ デュラス/ゴダール全対話』(読書人)をめぐって

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第3回
ゴダール最新作『イメージの本』

冨永 昌敬氏
菊地 
 ゴダールは新作が出るとなると必ず誇張された噂が飛び交う。『ゴダール・ソシアリスム』(二〇一〇年)の時は、ゴダールがもう一回社会主義に戻った宣言だとか、そんなこと絶対ないのに噂だけは飛び交った。こんな狭い日本の中のゴダール壇の中でも。前作の『さらば、愛の言葉よ』(二〇一四年、原題:Adieu au Langage 3D)の時に、次は3Dらしいよって聞いてびっくりしたんですけど、これもいつもの噂だろうと思っていたら本当に3Dだった。今回の『イメージの本』は人間が登場しない、AIが台詞を喋っていると聞いたんです。ゴダールが今はまっているのがスマホで自分の脚本を映画にすることだと、ゴダールがそれをやっているという噂が一部の人に飛び交っていて、前回の3Dが本当だったので、今度の映画ではAIが喋るという噂も本当なんだろうなと思っていたら久しぶりのゴダール・マナーというか、ジョークでゴダールが一人語りでナレーションをしている。僕はゴダールが映画作家として飽くなき探求の末に3Dまで行ったのでAIでも良かったと思うのですが、『イメージの本』という映画は簡単にいうと、もう一回『ゴダールの映画史』(一九九八年完成)をやってるんです。
冨永 
 一〇〇%コラージュで自分が撮った画が一つもないというのはゴダールの中ではかなり先鋭化したと思うんですけど。それと謎だったのが、画面の比率がちょいちょい変わることで、あれは新しかった。しかもその画面の大きさが変わるタイミングが事故なんじゃないかというくらいで意図がよくわからない。まさか間違うわけないし。
菊地 
 そこに関して、難しいことを考えてる人は難しい言葉で説明されると思いますけれども、『ゴダールの映画史』自体、文字がくるくる回ったりするのが楽しかっただけだと思うんです。今回は画面のサイズが変わるんだと、その前は飛び出すんだと思って楽しくて作ってるだけだと思うんですよね。映像も画面のハレーションが半端じゃなくて、ほとんど何が映っているのかわからないギリギリまで上げてるから途中サイケデリックムービーみたいになって。
冨永 
 あれは画面に映った映画を映しているんですかね。コラージュの仕方からそもそも雑なのかなと。自宅のテレビに映画を再生させてそれを安いカメラで撮って編集するくらいゴダールはヤバいのかなと思ったんです。かなり画が荒れている感じがしました。
菊地 
 いや明らかにあれは、コンピューター・エフェクトがかかってるよね。全部じゃないけど。あれは多分スマホによるデジタル・ローファイだと思う。相当ローファイで、機材がスマホだなっていうのがわかっちゃう。インスタグラムをやってる人ならわかりますが、エフェクターを極端にかけると何が写ってるのか分からないくらいになりますが、映画史上の名画をサンプリングして、なんだか分からない映像にしておじいさんの痰が絡んだナレーションを流すという恐ろしい映画(笑)。
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この記事の中でご紹介した本
ディアローグ デュラス/ゴダール全対話 (DURAS/GODARD DIALOGUES)/読書人
ディアローグ デュラス/ゴダール全対話 (DURAS/GODARD DIALOGUES)
著 者:マルグリッド・デュラス、ジャン=リュック・ゴダール
翻訳者:福島 勲
編集者:シリル・ベジャン、明石 健五
出版社:読書人
以下のオンライン書店でご購入できます
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