田原総一朗の取材ノート「「真摯に受け止める」とは?」|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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田原総一朗の取材ノート
更新日:2019年3月15日 / 新聞掲載日:2019年3月15日(第3281号)

「真摯に受け止める」とは?

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辺野古沿岸部の埋め立ての是非を問う沖縄の県民投票が、二月二四日に投開票された。

私は投票率が低いのではないか、と心配していたのだが、五二・四八%となった。

そして、反対が七二・一五%で、玉城デニー氏が去年九月の知事選で得た得票よりも約四万票も多かった。  

賛成は一九・一%、どちらでもないが八・七五%であった。

県民の多くが辺野古移設に反対だということが明確になったわけだ。

それに対して、安倍首相は「投票の結果を真摯に受け止め、基地負担軽減に全力で取り組む」と述べてきたが、県民投票の翌日も工事を続行した。

「投票の結果を真摯に受け止める」のならば、かたちの上だけでも、一~二ヶ月工事を中止して、沖縄側と話し合うべきだったのではないか。

これでは、「真摯に受け止めている」とはとても思えない。

安倍首相は、「普天間の全面返還については、日米で合意をしてから既に二〇年を超えて、今もなお返還が実現しておらず、もはや先送りは許されない」と強調している。

だが、辺野古の北側海域に軟弱地盤が広がっていることがわかり、防衛省も認めざるを得なくなった。
これを沖縄県は、マヨネーズ状態だといい、最大深度は九〇メートルで、航空機が発着できる強い地盤にするためには、一三年もかかり、工事費も二兆五〇〇〇億円を超える、と試算している。

もっとも、防衛省によれば、軟弱地盤は、深度七〇メートル程度だということだが、それでも、長期間、そして大へんな工事費がかかるのは間違いない。

このような状態で、安倍首相が、沖縄側と話し合う時間がない、というのは全く説得力がない。
それに、改良工事に伴う設計変更は、沖縄県の承認を受ける必要があるのだが、沖縄県は認めるはずがない。

政府は、この際、普天間飛行場を、グァムなどアメリカの基地に返還するための交渉をアメリカ側と行なうべきではないか。

それが「真摯に受け止める」ということではないのか。(たはら・そういちろう=ドキュメンタリー作家)

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