日本の〝穴場〟探訪 〈第四回・完〉滝尾百穴横穴古墳群|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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日本の〝穴場〟探訪
更新日:2019年4月2日 / 新聞掲載日:2019年3月29日(第3283号)

日本の〝穴場〟探訪
〈第四回・完〉滝尾百穴横穴古墳群

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Ⓒ田村 収
後に紹介するのは、大分県大分市の滝尾百穴横穴古墳群である。こちらも古墳時代後期の横穴墓群の遺跡で、市の史跡に指定されている。

大分駅から徒歩で行くには少し離れた位置にあるため、駅のレンタサイクルで自転車を借りて出向いた。20分ほど走り、目的地となる大分市立滝尾中学校に到着。そう、この「百穴」は中学校のグランド脇に存在するのである。昨今、校内への立ち入りの厳しいこともあり、訪問前は勝手に入ると不法侵入になるのではと懸念していた。しかしいざ現地に着いてみると、百穴近くのゲートは見学者の来場を見越してか解放されていたので、注意されたら、されたときのことと思って、中に入った。たまたま夏休み中だったため、校庭には生徒が1人もいなかった。

校庭の北側に存在する滝尾百穴横穴古墳群は、木々が鬱蒼と茂る岸壁面に横穴墓部分が露出している状態で、これまで紹介した百穴と同様に75基の横穴墓が乱立している。全ての横穴墓が同一壁面上に掘られているため一遍に見渡せるという特長があり、穴のバリエーションも相まって面白いのである。中に入ってみたいと思ったが、人目につきやすい校庭のすぐ脇という場所柄と、百穴の手前に花壇が整備されていたこともあり、断念せざるを得なかった。

それでも横穴墓の1つ1つをじっくり見ると、穴の中にサッカーボールが入り込んでいるのに気づいた。実は私は学生時代、サッカー部に所属していた。当時校庭の壁に、こんな無数の面白い穴が開いていたら、テレビでよく見るストラックアウトのようにサッカーボールを穴めがけて同様に蹴り込んでいたかも知れない。まあ、見つかったら先生に怒られることは確実であるのだが。

4回にわたり〝穴場〟を探訪してきたが、読者の方々が本来のことわざとは違う意味で「穴があったら入りたい」と、少しでも横穴墓への探訪に興味を抱いていただけたら幸いである。(たむら・おさむ=写真士)
Ⓒ田村 収  上の穴にサッカーボールが 
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