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更新日:2019年4月5日 / 新聞掲載日:2019年4月5日(第3284号)

幸福な読書体験

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塩川徹也さんの『パンセ』との出会いに関する逸話を聞いていて、菊池寛のことを思い出したのだった。
時代はいつの頃かは失念したが、東京から大阪へと向かう東海道線の車中のことである。背筋をピンとのばして、一心不乱に本を読む菊池の姿があった。人気作家だったのだろう、その顔もよく知られていたに違いない。
同乗した乗客は、「やっぱり本が好きな人なんだな」と思ったという。当時、東京・大阪間はどれくらい時間がかかったのだろうか。その乗客が一眠りしたのち、目が覚めると、微動だにせず読書する菊池寛の姿が、目の前にあった。それは大阪に到着するまで変わらなかったという。
亡くなった大西巨人さんから聞いた話であるが、今となっては、確かめる術はない。おそらく塩川〝青年〟も、そのようにしてパスカルと向き合っていたに違いない。
幸福な読書体験である。塩川さんが訳された『パンセ』下巻には、その「アンソロジー」が収録されている。まずは、そこからひもといてみることをおすすめする。   (A)
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