シリーズ創刊!「入門!ガクモン 人気大学教授の熱烈特別講義」 『宇宙を生きるー世界を把握しようともがく営み』著者・磯部洋明(聞き手・金田あかり、山梅愛夏)|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
マイページで記事のブックマーク!
ログイン
マイページ登録

トップページ

特集

書評

連載

コラム

ニュース

読書人とは マイページ

  1. 読書人トップ
  2. 特集
  3. 入門!ガクモン 人気大学教授の熱烈特別講義
  4. 自然科学
  5. シリーズ創刊!「入門!ガクモン 人気大学教授の熱烈特別講義」 『宇宙を生きるー世界を把握しようともがく営み』著者・磯部洋明(聞き手・金田あかり、山梅愛夏)
入門!ガクモン 人気大学教授の熱烈特別講義
更新日:2019年4月26日 / 新聞掲載日:2019年5月3日(第3287号)

シリーズ創刊!「入門!ガクモン 人気大学教授の熱烈特別講義」
『宇宙を生きるー世界を把握しようともがく営み』著者・磯部洋明(聞き手・金田あかり、山梅愛夏)

このエントリーをはてなブックマークに追加
小学館から新創刊された「入門!ガクモン」は注目の新進気鋭の学者が全編書き下ろすシリーズとなっている。
最初のラインナップとして同時刊行されたのは宮野公樹著『学問からの手紙ー時代に流されない思考』と磯部洋明著『宇宙を生きるー世界を把握しようともがく営み』の二冊。今回それぞれの著者にインタビューを行った。 
『宇宙を生きる』の著者・磯部洋明氏との対話をお願いしたのは、帝京大学が取り組んでいる統合型読書推進プログラム「共読ライブラリー」に参加する学生からなる「共読サポーターズ」のメンバー・金田あかりさんと山梅愛夏さん。
大学生二人が聞き手となり、磯部氏へのインタビューを行った。本書の感想から進路相談まで発展した磯部氏と学生との対話の一部をお届けする。
(編集部)
第1回
自分の世界が広がる読書体験


磯部 洋明氏
山梅 
 『宇宙を生きる』を読んで、一、二章の磯部さんの研究に関して書かれている部分は正直に言うと難しく感じました。わかりやすい言葉が使われているのですが太陽フレアや宇宙で起こっている現象などが自分のイメージと結びつかず理解できませんでした。でも三章以降からは楽しく読むことができました。
金田 
 私もきちんとは納得はできていないと思います。私は宇宙が好きで、高専で電子工学を学んだ時にJAXAに行った経験がありました。今は日本語学を勉強しているのですが、理系から文系に変わったきっかけとしてJAXAでの経験や宇宙が関係しています。宇宙が好き、と言っても専門的に学んでいるわけではなく、工学系で物理も途中で離脱した身です。公式や数学の知識がない私としては一、二章を読み終わった時に、この先どうなるんだろうと思いました。でも三章からは急に加速して読み進められ、興味深い内容でした。ミステリーやサスペンスを読む時のような、この先どうなるんだろう? といった読み方に近かったです。
磯部 
 ミステリーですか、初めて言われました(笑)。このシリーズの目的も「学問とはどういうものか」ということなので、宇宙の研究者として考えている学問について書きました。僕自身が宇宙物理学という専門性から勉強を始めて、それがどんどんと他分野と関わることで広がり現在の研究に繋がっています。三章以降は、その広がった先で考えたことです。それは人間や社会に関係することなので読みやすかったのかもしれません。前半の章で物理学、太陽フレアについて書きましたが、その説明を通して太陽フレアという現象を物理学的に理解することは一体何をしていることなのかを僕自身が内省しながら書きました。ここでは研究することが単に謎を解明するためだけではないと言いたかった。三、四章も読みやすかったかもしれませんが、学問をするとはどういうことか、学問とはどういうものかの答えを与えたつもりはないんですね。
金田 
 続けて読むと章と章との関連していることは理解できました。私が解釈した学問の学び方は、自分の周りの小さなことにも興味関心を持つような、「なぜだろう」と自分を軸として思考を巡らせることだと感じました。宇宙のような遠い存在でも社会学や哲学を通して身近な問題と結びつける手段はいくらでもあるんですね。
磯部 
 そうですね。でも自分自身に引きつけて読んでくれたのは意外でもあります。そもそも僕自身が宇宙に興味を持ったのは、あまりにも身近ではなかったからです。身の回りの自然が好きな少年ではなく、星座もオリオン座や北斗七星くらいしか知らなかった(笑)。
でも加古里子さんの『宇宙-そのひろがりをしろう』を読んだ時に赤色巨星という太陽の千倍くらいある大きさの星が出てきた。地球なんて点で描かれているのに赤色巨星は絵本に入り切らないくらいの大きさで描かれているんです。こんなにでかいものがあるのか、というワクワクと恐怖が入り混じった感情になりました。自分の理解を超えた異様なものが、でも確かに存在しているという事実が自分の世界を広げてくれました。ゾワッとするような怖いもの見たさですよね。

学問は自分自身を知ろうとする行為でもあるけれど、僕はどちらかというと自分の外側に広がる世界が面白くて仕方ないと思っています。宇宙って本当に訳のわからないカオスな世界で、それを分析的に把握していくことが僕にとっての研究であり、その研究を通して世界を認識し、その中に自分が生きていると認識するのが学問だという感じですね。そんなわけで、この本の三章には「コスモスからカオスへ」というタイトルがついています。
2 3 4
この記事の中でご紹介した本
宇宙を生きる~世界を把握しようともがく営み/小学館
宇宙を生きる~世界を把握しようともがく営み
著 者:磯部 洋明
出版社:小学館
以下のオンライン書店でご購入できます
「宇宙を生きる~世界を把握しようともがく営み」出版社のホームページはこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加
磯部 洋明 氏の関連記事
入門!ガクモン 人気大学教授の熱烈特別講義のその他の記事
入門!ガクモン 人気大学教授の熱烈特別講義をもっと見る >
自然科学関連記事
自然科学の関連記事をもっと見る >