東畑開人×高野秀行 公開トークイベント載録 〝イルツラ〟沖縄・デイケア施設でケアとセラピーについて考えたこと 『居るのはつらいよ ケアとセラピーについての覚書』(医学書院)刊行記念|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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更新日:2019年4月26日 / 新聞掲載日:2019年5月3日(第3287号)

東畑開人×高野秀行 公開トークイベント載録
〝イルツラ〟沖縄・デイケア施設でケアとセラピーについて考えたこと
『居るのはつらいよ ケアとセラピーについての覚書』(医学書院)刊行記念

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第7回
居場所のヒント「辺境ドトール」

高野 
 具体的にデイケアが「いる」ことについて価値を見いだせずにいるところがあるわけですよね。それについては東畑さん自身に考えとかアイデアはあるんですか? 
東畑 
 この本は居場所って難しい、ってことを書いたんです。「居るのはつらいよ」ですから(笑)。だから、こうしたらいいよっていう提言が、自分の中には具体的にあるわけじゃないんですね、残念ながら。だけど、今どう思って自分が生きてるかというと、「それでも居場所は生まれてくる」という思想で生きてると思います。何かのタイミングでいろんな場所に居場所がポッと生まれてくる。根絶しようとしても、そういうものは生まれてきてしまう。もちろん、それはとっても壊れやすいんですけど、また生じてくる。だから、居場所は損なわれやすいんだけど、そうなったらまた次の居場所を作ったり探したりしていく。一種泡のような世界というか、そういう世界観で生きています。
高野 
 最近、家と職場以外のサードプレイスという概念があるそうですね。僕なんか何しろワンプレイスしかないし職場経験がないっていうこと自体がこの対談やってていいのかと(笑)。
東畑 
 でも高野さんは聞くところによるとドトールを居場所にされてるんですよね。何でも店が閉店した後、店長と一緒に酒飲んでると。
高野 居場所っていうか、ドトール行って仕事してるだけなんですけど。あのドトールは〝特殊ドトール〟なんです。店長夫妻とその常連がすごく仲良くて一緒に飲み会やったり、旅行したり、就職紹介したり、何でもやってる。
東畑 
 ドトールってコーヒー一杯二〇〇円くらいじゃないですか。飲み屋なら常連がたくさん飲むから儲かると思うけど。
高野 
 いや八時間とか普通にいると常連になってくるわけなんです。一時期部活もありましたからね。リコーダー部っていうのがあった。あれも居場所っていえば居場所ですね、昭和的な。寅さんのとらやみたいに近所の人が勝手に入ってくるみたいな。
東畑 
 その「辺境ドトール」は、一体どこなんですか(笑)?
高野 
 いや、それは絶対に言えない。だって、僕がいるからね(笑)。           (おわり)
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この記事の中でご紹介した本
居るのはつらいよ ケアとセラピーについての覚書/医学書院
居るのはつらいよ ケアとセラピーについての覚書
著 者:東畑 開人
出版社:医学書院
以下のオンライン書店でご購入できます
「居るのはつらいよ ケアとセラピーについての覚書」出版社のホームページはこちら
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