田原総一朗の取材ノート「大きな政策転換「日朝首脳会談」」|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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田原総一朗の取材ノート
更新日:2019年5月21日 / 新聞掲載日:2019年5月17日(第3289号)

大きな政策転換「日朝首脳会談」

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安倍晋三首相が、六日夜、首相公邸前で記者団に、「私自身が金正恩(朝鮮労働党)委員長と条件をつけずに向き合わなければならない」と話した。つまり無条件で日朝首脳会談に臨むという意向をはっきりと打ち出したのである。

これは大きな政策転換である。

これまで、安倍首相は、核兵器を保持し、核実験をくり返していた北朝鮮に対して、最大の圧力を掛け続ける、と力説し、拉致問題を進展させるために日朝首脳会談をしたいと述べつづけてきたのだ。

なぜ、大きな政策転換をしたのだろうか。

金正恩委員長は、四月二五日にロシアのプーチン大統領と会談した。

この結果、金正恩委員長は、アメリカのトランプ大統領、中国の習近平主席、韓国の文在寅大統領など、北朝鮮と直接かかわりを持つ四首脳と会談していて、日本の安倍首相だけが一度も会談していない。つまり取り残されたというかたちになっている。

そこで、安倍首相が強い焦りを覚えて政策を転換した、ということなのだろうか。

日本のメディアの多くは、このように捉えているようだ。

だが、私は、安倍首相が記者団と会う前に、トランプ大統領と約四〇分間行なった電話協議に強い関心を抱いている。

トランプ大統領は一〇日、中国製品二〇〇〇億ドル相当にかけている追加関税を一〇%から二五%に引き上げる、と発表した。

これに対して、日本を含めて世界のメディアは、アメリカがこのような強引な措置を発動すれば、悪い影響が世界に及ぶ、として、冷静になるべきだ、と求めた。

ところが、米通商代表部は、何と中国からの輸入品全てに追加関税を課す準備に着手した、と発表した。世界中が驚嘆している。

ことの是非はともかく、トランプ大統領は対中国問題に全エネルギーを投入している。だから北朝鮮問題にかかわるエネルギーがない。そこで、北朝鮮に関して、安倍首相に何らかの役割を依頼したのではないか。私は、このように捉えている。では、その依頼の内容はどういうことなのだろうか。(たはら・そういちろう=ドキュメンタリー作家)
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