秋満吉彦著 『行く先はいつも名著が教えてくれる』日本実業出版社より刊行|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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更新日:2019年5月28日 / 新聞掲載日:2019年5月24日(第3290号)

秋満吉彦著 『行く先はいつも名著が教えてくれる』日本実業出版社より刊行

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 この本を手にする人は、名著と言われてきた本が30冊や50冊ほど網羅的に紹介されているのではないか、と思いながらページを開くのかもしれない。また出版社の名前を見て、こんな時にはこの本を読んでみなさい、と実用に供する本が紹介されていると思うかもしれない。実際には12冊の名著だけが著者の人生の上でどのように心に響いてきたのか、ということが紹介されているのである。しかし、よく読みこんでいくと、テーマに沿って文中に多数の本が登場し、なぜメインとして紹介する本が心に響いたのかということを補強しているのであるから、単に12冊の名著の紹介にはとどまらない。

著者はNHKで名著を紹介する番組を担当したプロデューサーであるが、自身が手がけた番組の中で紹介した本を並べている、という本作りにはなっていない。どちらかというと著者は長いあいだ自分がやりたかった分野からは遠い職場に配属されながらも、生きていく中で迷い、悩み、彷徨い続けたサラリーマンといった方が良いであろう。そうした中でたびたび読み込んで自身を励ましてくれた本を紹介しているのである。

本を紹介する場合、例えば本紙のように書評の専門紙などであれば評者はできるだけ主観を避けて、誰もが共感を得られるような紹介をするよう記事を作っていく。だが、この本で紹介されている12冊は、著者が自身の心に思う存分沈殿させ、誰はばかることなく名著として薦めたいというものであり極めて主観的である。読者は、著者が披瀝するその本に対する個人的な想いを読者個人に置き換えて、読みたいと思うのか単にやり過ごすのかを決めることだろう。本を紹介する手法として個人の生き様を反映させていくことは「この本を読んでみたい!」と強く思わせることにも繋がって、ここに紹介の知らなかったいくつかの本を、筆者も手に取ってみたいと強く思った。

冒頭に書いたように社名が「実用」をイメージさせるため、タイトルと呼応して書店の売り場などではやり過ごしてしまいそうになるのが残念だが、ではどうすれば良いのかという解を筆者が持ち得ないのは悔しいところでもある。しかし、この出版社らしく読みやすく編集されているのは実用書も多く作ってきた実績がなせる業といえよう。(四六判・192頁・本体1400円)(K)

日本実業出版社☎03・3268・5161
この記事の中でご紹介した本
行く先はいつも名著が教えてくれる/日本実業出版社
行く先はいつも名著が教えてくれる
著 者:秋満 吉彦
出版社:日本実業出版社
以下のオンライン書店でご購入できます
「行く先はいつも名著が教えてくれる」出版社のホームページはこちら
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