田原総一朗の取材ノート「トランプ米大統領来日」|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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田原総一朗の取材ノート
更新日:2019年6月4日 / 新聞掲載日:2019年5月31日(第3291号)

トランプ米大統領来日

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来日したトランプ米大統領を、安倍晋三首相は考えつく限りのもてなしをした。

来日の翌朝には千葉のゴルフ場で、安倍首相自らがゴルフカートのハンドルを握ってサービスし、夕方は国技館での大相撲夏場所・千秋楽の取組みを観戦し、優勝した朝乃山に「米国大統領杯」を手渡すことになった。もちろん来日したトランプ大統領のために、わざわざ設けられたのである。
そして、相撲観戦後は、安倍首相夫妻が、六本木の炉端焼き店でトランプ夫妻をもてなした。

多くのメディアは、こうした安倍首相のトランプ大統領に対する超もてなしを、冷ややかに報じた。いかにも、対米従属的だというのである。
だが、安倍首相には、もちろんそれなりの思惑があった。

トランプ大統領は、かねてから、日本の対米輸出額が大きいことを「異常」だとして日米貿易交渉に強い姿勢で臨む、と宣言していた。特に、輸出額の大きい自動車に対して25%の関税をかけるか、数量規制を要求し、牛肉など農産物の輸入についても厳しい要求をするもの、と予測されていた。

事前の交渉で、日本側は、あくまでTAG(物品交渉)だと表明していたが、トランプ大統領はFTA(自由貿易協定)だといい切っていた。

だが、今回の来日では、どうやら貿易交渉は行われず、日本の参議院選挙後に先送りされることになったようだ。
厳しい貿易交渉を行なって、安倍内閣が傷つき、参議院選挙に悪影響を及ぼすことを、トランプ側が配慮したのであろう。
だが、先送りにはなったが、内容が甘くなったわけではない。

それと、もうひとつ大きな問題がある。
実は、6月の後半に大阪でG20が催されることになっていて、ここでトランプ、習近平両氏が顔を合わせることになる。
現在、米中は激しい覇権争いを繰り広げているのだが、G20で、米中両首脳が合意できるのか、決裂するのか、世界中が注目している。問題は、安倍首相が、両首脳の合意の仲介ができるのか、何もできないのか。世界の外交のプロたちは、それを見守っているのである。(たはら・そういちろう=ドキュメンタリー作家)
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