立石弘道編 『天皇皇后両陛下と軽井沢』 国書刊行会より刊行|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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更新日:2019年6月1日 / 新聞掲載日:2019年5月31日(第3291号)

立石弘道編 『天皇皇后両陛下と軽井沢』 国書刊行会より刊行

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 立石弘道編『天皇皇后両陛下と軽井沢 土屋写真店の記録』が国書刊行会から刊行された。A4判・176頁・本体3800円。

この写真集は巧まざる息づかいに満ち溢れている。

軽井沢という地名にはさまざまな思いを寄せる人も多いことであろうが、ある一定の年齢を超えた人たちにとっては、両陛下の「テニスコートの恋」の地として、強く心に焼き付けられている。本書を手にして軽井沢町長の一文や目次、編者のことばなどに眼を通すのももどかしくページをめくると、昭和25年頃というページの2枚の写真に釘付けになる。どこで写されたのであろうか砂利道に立つ不安げな表情の皇太子明仁親王は、白いスーツに身を包み、すこし膝が出たズボンには腰を下ろした時についたのか少し皺もよっている。なんだか、駆け寄って声を掛けたくなるような写真なのである。その下に、美智子様のテニスコートでの友人たちとの写真にも心を動かされる。おそらくこのときお二人には恋はまだ遠いものであったはずである。

この写真集のサブタイトルは〈土屋写真店の記録〉である。軽井沢で過ごされる皇室の方々の姿を瞬間的にか偶然にか、旧軽井沢銀座で明治39年より写真店を営む老舗写真店の店主が蔵していた未公開写真が、軽井沢裏面史ともいえる逸話とともに掲載されている。美智子様がテニスボールにラケットを打ちつけようとするその瞬間のまなざしの真剣なこと! ご家族の和やかな写真は皇室の広報を通じて公開されるお姿とは段違いに親しみやすい。少しピントの甘い写真が多いのも、冒頭に書いた巧まざる息遣いを、本書を手にする私たちに感じさせてくれるのである。(K)

国書刊行会☎03・5970・7421
この記事の中でご紹介した本
天皇皇后両陛下と軽井沢 土屋写真店の記録  /国書刊行会
天皇皇后両陛下と軽井沢 土屋写真店の記録
著 者:立石 弘道
出版社:国書刊行会
以下のオンライン書店でご購入できます
「天皇皇后両陛下と軽井沢 土屋写真店の記録 」出版社のホームページはこちら
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