【横尾 忠則】夢と現実が地続きの不思議絵のどこかにユーモア描く|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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日常の向こう側ぼくの内側
更新日:2019年6月4日 / 新聞掲載日:2019年5月31日(第3291号)

夢と現実が地続きの不思議絵のどこかにユーモア描く

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アトリエにて森山未來さんと
2019.5.20
 ニューヨークタイムズ紙に「神戸」が紹介された。その記事がちょっと愉快な気分にさせてくれた。「もし神戸で美術館を1ヶ所訪ねるとしたら、安藤忠雄がデザインした兵庫県立美術館はパスして、その奇抜な従兄弟にあたる横尾忠則現代美術館に行こう」とぼくの紹介記事と展示風景の大きい写真が掲載されている。アメリカ人の若い記者が書いたそーだが、ウィットに富んでいて面白いじゃない。先ず日本人は、こうは書かないだろう。

2週間ほど前に見た灘本唯人さんの夢の記述をもう一度再録すると〈誰カニ灘本サンニツイテ何カ書イテ欲シイト頼マレル。ソノコトヲ灘本サンニ言ウト、『エライ悪イナ~』ト言ッテ嬉シソーニ笑ッタ〉。そんな夢が正夢になって、今日、灘本さんの神戸での個展のために、推薦文の依頼を受ける。その場で書いてメールする。この間から夢と現実が地続きになってきているのが不思議というか面白くなってきた。三島さんのように無意識がない、というのはこーいうことなんだろうか。

2019.5.21
 〈アナタガ舞イ上ッタラ何モデキナイ、トモッサリシタ芸術家風ノ男ニ付キマトワレテ成城内ヲグルグル廻ル〉。そんな抽象と具象の合体夢を見る。

ポーラのPR誌で森山未來さんと対談。喜怒哀楽の楽についてがテーマと言うが、四つの感情を切り離して語れるものではなく、話題は無関係な方に向う。森山さんは舞踊に深く関心を寄せている様子。土方巽さんについて聞かれるが、今は昔、そーいうとガルメラ商會なんてポスター描きましたね。

夕方、山田洋次さんがかしわ餅と饅頭を持って、膝が痛むので玉川の整形外科とコンタクトを取ってもらえないかと来訪。

横尾忠則現代美術館にて浅田彰さんと
2019.5.22
 近所に住む小学館の中川さんが来て、ぼくのスイーマーの絵に興味があるので作品集の出版ができないかと。このテーマの作品は30点位あるが、20数点はアメリカのコレクターの所蔵になっている。出版するなら東京オリンピック年がいいのではと話す。

久し振りに離れていたウォーホルのシリーズに5点追加したくなって、3点描く。

本日の書評委員会は、特に書評したい本がないので欠席する。

2019.5.23
 明日、神戸へ行くのでピカビアでヘアーカット。うんと刈り上げた結果、パイナップルみたいになった。もう少し若ければグリーンに染めたかも知れない。

横尾忠則現代美術館にて片岡秀太郎さんと
2019.5.24
 全国的に30度を超す真夏日。

10時9分ののぞみで妻、徳永と新神戸へ。美術館の山本さん、田中さんが駅で待機。学芸課長の山本さんは館長補佐に格上げされたせいか、なんとなく張り切っているように見える。東天閣で冷しジャージャー麺の昼食。

「人食いザメと金髪美女 笑う横尾忠則」展の記者会見。梅原猛さん、茂山狂言とのコラボ三作品の舞台衣装、舞台美術の全作品が公開。一般的には狂言の舞台には美術はほとんどなく、最小限の物がある程度だけれど、梅原スーパー狂言はそんな常識を無視している。こーいう展覧会は東京で見せたいものだ。

美術は一般的に笑いと無縁だけれど、ぼくは絵のどこかにユーモラスな要素を描くことにしている。まるでユーモアは低次元であるかのように美術ではあまり問題にされないけれど、そんなタブーを犯したくなるのが人情でしょう。

オープニングセレモニーは井戸知事も蓑館長も欠席、代理の副知事と美術館の理事の2人の挨拶がなかなかよかった。大阪から歌舞伎の女形片岡秀太郎さん、京都から浅田彰さんも来席。

夕食は浅田さん、東京から来神の日経新聞出版社の苅山さんを迎えて東天閣へ。神戸ホテルオークラにチェックイン。

2019.5.25
 午前中、美術館でもう一度展覧会を観て、次回展打合せ。

夕方、帰京。留守番役のおでん、大喜びで、あの無口がよくしゃべる。

2019.5.26
 〈新型補聴器ノデザインヲシタ〉夢を見る。実現させる方向に持っていきたいと思っている。(写真撮影・徳永明美)(よこお・ただのり=美術家)
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