【横尾 忠則】新たなプロジェクトの架空計画、アースワーク的な。|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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日常の向こう側ぼくの内側
更新日:2019年6月18日 / 新聞掲載日:2019年6月14日(第3293号)

新たなプロジェクトの架空計画、アースワーク的な。

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SCAI THE BATHHOUSE 展示風景(撮影・上野則宏)

2019.6.3
 〈郷里ノ自宅前デ北野武ガ8×10ノ大型カメラデ肖像ヲ撮ッテクレルガ、モニターニハボクノ顔デハナク山羊ノ骨ノ山ガ映ッテイル。シャッターチャンスハボクノ合図デ、タケシガ撮ル〉

玉置浩二さんの朝日新聞掲載の新聞広告のデザインをする。インパクト大なり。
2019.6.4
 〈バスノ窓カラビルノ入口ニ2人ノ女性ガベンチニ腰ヲ掛ケテイル。ソノヒトリハ京マチ子サンダ。バスノ窓越シニ京サント言葉ヲ交ス〉。生死とり混ぜて知り合いの芸能人がよく夢に現われる。

神津善行さんがピックアップしてくれて日比谷の石綿クリニックへ。夕食のあとちょっと胸焼けがするとか、骨折した足の親指がまだ痛いとか、両手の親指がキリキリ痛むとか、歩くとふらつくとか、息切れがするとかの程度で、まあ全て老化現象のようだ。採血の結果は次回に報告あり。
2019.6.5
 〈海外ノホテルデ、ファッション誌ノ仕事デ来テイルガアイフォンノ使イ方ガ分ラズ、困ッテイル〉夢。

多摩美大の大学院の先生時代に一緒だった美術評論家の本江邦夫さんが急死。出張先から空港に着くなり心筋梗塞とか。まだ70歳だった。

現在制作中の木版画の写楽シリーズの5、6点の校正刷をコンポジションの水谷さんと刷師が持参。計10点制作の予定。同伴者のコレクター弥栄画廊の居松靖さんは随分ぼくの作品を沢山所蔵しているが、全部オークションで購入したとか。
2019.6.6
 SCAIの個展作品をちゃんと見ていなかったので再び一族郎党で見に行く。オーナーの白石さんとは豊島横尾館の新たなプロジェクトの架空計画について話す。絵画作品もいいが、アースワーク的なスケールの大きいプロジェクトをやってみたい。

2019.6.7
 〈イナゴノ首ニ太イ釘ヲ打ッテ、イナゴヲ固定スル。マルデ自分ノ首ニ巨大ナ杭ヲ打タレタヨーナ気分ニナッテ、身震イスル〉。子供の頃は虫や小動物を残酷に殺した原罪が再現されたような夢である。

創価女子短期大学の入試問題集に『言葉を離れる』(青土社)から問題が出たが、自分でやってみるが、難しい問題ばかりで、受験すれば落っこちそう。
2019.6.8
 神津さんが、ぼくが夢の中で考案したのと同じ原理の補聴器をネットで見つけたと雨の中かなりある自宅から歩いて持って来てくれる。どこかのメーカーで制作してくれないかと思ってツイッターでメーカーに呼び掛けていたので、すでに製品化されていることに驚いたが、ぼくの考案するデザインの方がもっと格好いいのができると思う。

雨が降ると嬉しいのは庭のメダカの甕が増水されるからだ。もうひとつは樹木の緑がきれいに見えるからだ。
2019.6.9
 増田屋で会った山田洋次さんの次女が美美の影響でクリスチャンになるとか。わが長女のクリスチャン歴は40年近いんじゃないかな。この間、内外の旅行先でも一日も欠かさずに教会に行っている。狂気的信仰心というしかない。

書評する本を読みながら、ライブ的に書評を書く。読了するまでに書いてしまったので未完の書評ということになろうか。ぼくの絵の大半は未完で、鑑賞者が未完部分を完成してくれればいいのだ。書評も未完部分を読者が代って書評してくれる。これでいいのでは。

夜、マッサージへ。半覚醒半睡眠状態で、このまま朝まで眠れれば最高なんだけれどなあ。

昨日神津さんにプレゼントされた補聴器は100円ショップに売ってそうなものだけれど、久し振りにテレビの音声がよく聴こえる。110万円もするデンマーク製よりこの反文明的な玩具のような補聴器の方が遥かに高性能である。(よこお・ただのり=美術家)
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