海老坂武 寄稿 サルトルへの新しい照明 ――フランスの若い世代の評価にみる 『週刊読書人』1967(昭和42)年5月22日号 1面掲載|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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更新日:2019年7月14日 / 新聞掲載日:-0001年11月30日(第676号)

海老坂武 寄稿
サルトルへの新しい照明 ――フランスの若い世代の評価にみる
『週刊読書人』1967(昭和42)年5月22日号 1面掲載

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1967(昭和42)年
5月22日号1面より
昨秋(※1966年9月18日)、来日したサルトルは、「知識人の擁護」というテーマで講演し、大きな感銘を残した。ところで、本国のフランスでは、サルトル哲学の評価をめぐって、最近、若い世代の間に論議が交されている。

そこで、季刊誌「アルク」のサルトル特集を、フランス文学者の海老坂武氏に紹介してもらいながら、その論議の意味するものについて執筆してもらった。(編集部)
第1回
二つの雑誌でサルトル特集


一九六六年、フランスの二つの雑誌で、サルトル特集が組まれた。その一つはフランス共産党の文学理論誌「ヌーヴェル・クリチック」、他の一つは、特集記事を専門にここ数年発展してきた南仏の一季刊誌「アルク」である。この二つの特集のそれぞれから結ばれるサルトル像には、重なり合わない部分も多く、それなりに興味深いのだが、前者についてはすでに昨年、一部紹介されたことでもあり、ここでは「アルク」を中心に今日のフランスにおけるサルトルの評価と、その背景を簡単に説明するにとどめたい。ただ、「ヌーヴェル・クリチック」特集について一言つけ加えるならば、従来共産党は、政治的同伴者としての限りにおいてサルトルを受け入れ、思想面においては、彼のマルクス主義への傾斜にもかかわらず、いやおそらくはそれゆえに、これと対話をかわすことを厳しく拒否し続けてきた。

今日では党内のリベラルと目されているR・ガロディがわずかにサルトルに関心を寄せていたが、それもいわば、党の防波堤として、この拒否の姿勢を確認するにとどまっていた。「サルトルはマルクス主義者か?」という統一主題のもとに、サルトルとの理論的対話を呼びかけた「ヌーヴェル・クリチック」の特集は、その成果はともかく、若手知識人による門戸開放として、今後の影響が注目されるのである。
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