ケトン体が人類を救う / 宗田 哲男(光文社新書)今の時代に見逃せないヒント 宗田哲男著『ケトン体が人類を救う』|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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2017年1月6日

今の時代に見逃せないヒント
宗田哲男著『ケトン体が人類を救う』

ケトン体が人類を救う
出版社:光文社新書
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本書は、今やダイエット法としては市民権を獲得しつつある「糖質制限」を産科領域に適用し、具体的な成果をあげている産婦人科医が書いた渾身の一冊である。

タイトルにもある「ケトン体」とは、ブドウ糖が枯渇した状態で脂肪酸が燃焼するときに肝臓で作られる物質である。これまで一般に脳はブドウ糖しか使えないとされ、また血中のケトン体濃度が高いと危険だとされてきた。しかし著者の宗田氏は自らの糖尿病を糖質制限により克服、その際に血液中のケトン体が上昇しても問題が起こらなかったことから、妊娠糖尿病の妊婦にも糖質制限による管理を試み、母子ともに安全に出産させることに成功する。さらにケトン体の簡易測定器との出会いから、産後間もない赤ちゃんの血液や胎児の胎盤・絨毛などのケトン体値も測りはじめ、赤ちゃんや胎児の血液や絨毛におけるケトン体値が非常に高いこと(基準値の20倍以上)を発見。ここから、人はそもそもブドウ糖代謝ではなくケトン体代謝によって生きていたのではないかとの考察にいたる。  

宗田氏は現代の糖質に依存しきった食生活と、栄養学の常識を見直すことを訴えている。糖尿病以外にもガンやアルツハイマー、精神疾患、アレルギーなどの多くの分野で、疾病と糖質の過剰摂取との関係やケトン療法の研究が始まっている。医療費の抑制と健康寿命の延伸が重要な課題である今の時代に、見逃せないヒントが詰まった一冊である。 (光文社新書編集部)
この記事の中でご紹介した本
ケトン体が人類を救う/光文社新書
ケトン体が人類を救う
著 者:宗田 哲男
出版社:光文社新書
以下のオンライン書店でご購入できます
2017年1月6日 新聞掲載(第3171号)
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