裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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更新日:2019年7月15日 / 新聞掲載日:2019年7月12日(第3297号)

裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち

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「15 歳のときに,地元を捨てた」著者が沖縄に戻り,「今度こそここに立って,女の子たちのことを書き記したい」という思いで,6人の少女の人生を書いた1冊。 
私が特に印象に残ったのは,「カバンにドレスをつめこんで」である。これは,鈴乃という名前の女性が高校の定時制課程に入り直し,夕方になるとカバンにドレスをつめこんで学校に行き,学校が終わったらそのまま,キャバクラに出勤していたことからとったものだ。 
取材時,彼女は日中,看護専門学校に通い,夜はキャバクラで働きながら重い脳性まひの子どもをひとりで育てていた。彼女は16 歳で子どもを産むが,恋人から暴力を受け続け,傷跡をメイクで隠して入院中の子どもを見舞う生活をしていた。その時,彼女を気遣ってくれた看護師がいたことから「看護師になりたい」という夢を抱き,奮闘していた。彼女の意志や努力には頭が下がる。しかしそれ以上に,著者の「それにしても,鈴乃はなぜこんなにもがんばり続けないといけないのだろうか。」という一文がとても心に沁みた。 
家族や周囲から支援を得られない少女たちは時に,着のみ着のままの裸足状態で逃げなければならない状況にさらされる。これを自己責任とするのは間違っているし,精神的・経済的に頼れる存在がいる人とはスタートライン自体が違うので,安易な比較など許されないだろう。 
私は沖縄を訪れた経験もなく,この本に書かれていることが地域に限ったことなのか判断できない。しかし,6人の人生と,それを書き記さなければならないと決意した著者の心から目を背けてはならないと強く感じるのだ。
この記事の中でご紹介した本
裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち/太田出版
裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち
著 者:上間 陽子
出版社:太田出版
以下のオンライン書店でご購入できます
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