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更新日:2019年7月23日 / 新聞掲載日:2019年7月19日(第3298号)

『11通の手紙』 及川淳子著、笠原清志解説

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11通の手紙(及川 淳子)小学館 
11通の手紙
及川 淳子
小学館 
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現代中国社会を専門とする著者が、天安門事件からずっと民主化運動のリーダーとしてゆるぎなく立ち続けた劉暁波と、その夫人劉霞との関係の中で捉えた、「天安門事件三十年」。十一の手紙を創作する「創作書簡集」というスタイルで綴られた。

それは日本に暮らす私たちには当り前過ぎて、何も考えずに受け取ってしまう権利ばかりだ。

何かを主張する権利/誰かの主張する権利を守る権利、読みたい小説を読む自由、街で起きていることを伝える責任、おかしいことを詩にのせて歌う権利、間違っているという自由/おかしいと問う自由、国に与えられた役割の前に一人の人間としてあるべきこと、考え続けること、信じる自由/信じない自由、どんなに押さえつけられ、夢を砕かれ、命を奪われても、この自由を捨てないこと、誰かを愛し続けること……。

人はこんなふうに尊く、信念を貫けるものだろうか。創作だが、ここには劉暁波の影が映し出されている。たくさんの答えが出ないことがある。理解できないことがある。私たちはとりあえず、空席だったノーベル平和賞の劉暁波の椅子のことを、記憶に留めておくべきではないだろうか。
(画像は本書より)
この記事の中でご紹介した本
11通の手紙/小学館 
11通の手紙
著 者:及川 淳子
出版社:小学館 
以下のオンライン書店でご購入できます
「11通の手紙」出版社のホームページはこちら
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