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漢字点心
更新日:2019年8月6日 / 新聞掲載日:2019年8月2日(第3300号)

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中国の古典『列子』に、ある純粋な男が貴族たちにだまされて、川底にある宝石を取りに行かされる話がある。ここで、水底深く潜っていくことを指して用いられている漢字は、「泳」。もちろん、「およぐ」と読めばいいわけだが、この漢字は、紀元前の中国の古典にはほとんど出て来ない。

そのころ、「およぐ」ことを指してよく使われていたのは、「游」。音読みは「ユウ」。現在、ふつうには「遊泳」と書かれる熟語は、古くは「游泳」と書かれることが多かった。『列子』でも、先ほどの話のしばらく後に、今度は激流を見事に「游」いで渡る男の話がある。

一説によれば、水面に浮かんで動き回るのが「游」、水中に潜って動き回るのが「泳」だという。しかし、激流を渡ろうとする時には、いつも水面に浮かんでばかりもいられまい。「游」は水平方向の移動に、「泳」は垂直方向の移動に重点がある漢字だと考えた方が、より正確であるように思われる。(えんまんじ・じろう=編集者・ライター)
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