ザ・プロフェッサー / 7074(小学館)良質のリーガルスリラー 主人公の挫折と再生を描いたヒューマンドラマ|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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更新日:2019年8月3日 / 新聞掲載日:2019年8月2日(第3300号)

良質のリーガルスリラー
主人公の挫折と再生を描いたヒューマンドラマ

ザ・プロフェッサー
著 者:ロバート・ベイリー
出版社:小学館
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 本書との出会いは、原書の表紙を見て一目ぼれをしたのがきっかけでした。グレゴリー・ペックを思わせる老教授が大学の建物を見上げている後姿をとらえたセピア色の写真の表紙がとても魅力的で、すぐに読んでみて、予想通り面白い作品であると確信しました。 その後、翻訳の師匠田口俊樹先生を通じて出版社を紹介していただき、翻訳出版にこぎつけることができました。このように多くの方々のご協力を得て出版にこぎつけた本書ですが、出版後にも多くの読者から様々なレビューコメントをいただきました。その中で一番嬉しかったのは、「この本を読んで明日も頑張ろうという元気をもらった」というものでした。小説の出版に関わる者にとって、「読んで元気をもらった」というコメントは最高のほめことばの一つと言っていいでしょう。自分が最初に原書を読んで感じた高揚感を、このような最高のことばで代弁してもらえることは本当に翻訳者冥利に尽きるというものです。

本書の主人公トムはアラバマ大学のアメリカンフットボールチームで全米チャンピオンに輝き、その後、弁護士を経て、母校のロースクールの教授として順風満帆な道を歩んでいました。しかし、かつての教え子の陰謀により職を失い、さらに癌に冒され、失意のどん底に突き落とされます。そこにかつての恋人が娘夫婦と孫を失った交通事故で、相手方のトラック会社を訴えたいと依頼してきますが、トムは事件を教え子の新米弁護士リックに託し、故郷に身を隠します。

生きる気力すら失いかけていたトムですが、訴訟相手のトラック会社の弁護士が、自分を大学から追い出したかつての教え子だったことを知って怒りに燃え、さらに愛犬や友人らの励ましを受けて四〇年ぶりの法廷に臨みます。ここからの怒涛の法廷シーンは圧巻です。六十八歳の老いぼれ教授と二十六歳の新米弁護士の人生をかけた逆襲劇をぜひお楽しみください。

本書は良質のリーガルスリラーであると同時に、主人公の挫折と再生を描いたヒューマンドラマでもあり、圧倒的な面白さのエンタメ小説でもあります。ストレートで胸を熱くするストーリーが、幅広い読者の方に元気を与えることができるとしたらこれほど嬉しいことはありません。

本国では第四作まで出版されており、続編が楽しみというコメントも数多くいただきました。これからも多くの読者に元気をお届けしたいと思いますので、応援よろしくお願いします。
この記事の中でご紹介した本
ザ・プロフェッサー/小学館
ザ・プロフェッサー
著 者:ロバート・ベイリー
出版社:小学館
以下のオンライン書店でご購入できます
「ザ・プロフェッサー」出版社のホームページはこちら
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