田原総一朗の取材ノート「「ホワイト国」リストの政令改正」|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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田原総一朗の取材ノート
更新日:2019年8月12日 / 新聞掲載日:2019年8月9日(第3301号)

「ホワイト国」リストの政令改正

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安倍内閣は、八月二日の午前の閣議で、韓国を、輸出手続きを簡略化できる「ホワイト国」のリストから外す政令改正を決めた。

世耕弘成経済産業相は、閣議後の会見で、「あくまでも韓国の輸出管理や運用が不十分なことを踏まえた運用見通しだ」とした上で、「もともと日韓関係に影響を与える意図はなく、何かへの対抗措置でもない」と強調した。

だが、世耕氏は七月に輸出規制を発表した際に、はっきりと徴用工問題に言及している。そのために、やらざるを得ない、というのである。

しかも、七月の段階では半導体材料などの三品目の輸出規制であったが、今回は一〇〇〇品目に渡るのだ。

そして、市民団体の交流、文化交流まで寸断されることになりそうだ。

そもそも韓国の文在寅大統領が、慰安婦問題や徴用工問題で、日本に強硬措置を取ったのは、景気が悪化し、失業率が高まる中で、落ちる支持率を止めるためには、日本敵視に転じるのが早道だと、考えたのであろう。げんに、日本敵視によって、支持率が回復している。

ところで、日本側も、安倍内閣の強硬措置を「支持する」という答えが七一%(読売新聞、七月二二・二三日調査)に達し、「支持しない」は一七%でしかない。

これは、どういうことなのか。

日本人は、満州事変や日中戦争などについて、中国には反省的姿勢を取り、朝鮮半島についても、長い日韓併合の歴史に対する反省があって、友好的態度を取りつづけてきた。

それが近年になって、中国に対しても、韓国に対しても強硬姿勢に転じた。雑誌でも単行本でも、中国や韓国のことを悪し様に書くと売れゆきがよい、というのである。

経産省が、韓国を「ホワイト国」のリストから外すことについての意見公募をしたところ、通常は一〇〇件にも満たないのに、四万件も集まって、九五%が賛成だったということだ。

このことで意を強くして、安倍内閣は、除外に踏み切ったのであろう。

国民の姿勢が転じたのは、自信を失なったこと、いわばコンプレックスが裏返しになったということである。しかし、それをいいことに日韓両政府が負のスパイラルに陥っていては展望はない。(たはら・そういちろう=ドキュメンタリー作家)
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