☆金の星社100周年記念展☆|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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更新日:2019年8月26日 / 新聞掲載日:2019年8月23日(第3303号)

☆金の星社100周年記念展☆

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令和元年復刻版 「金の船」第一巻 第一号・第二号
大正8年に設立した子どもの本の専門出版社・金の星社が、今年11月創業100周年を迎える。それを記念し7月19日から28日まで、東京都台東区の上野の森美術館で「みる よむ あそぶ 金の船・金の星 子どもの本の100年展」が開催された。創業時に刊行された童謡童話雑誌『金の船』第一巻第一號のほか、初代編集長・野口雨情の原稿、『金の船』『金の星』の原画(竹久夢二、岡本帰一、寺内萬治郎ら)などの貴重な資料を展示。「ヨム」「エガク」「ウタフ」「カク」という4つのコーナー展示は、童謡と童話で児童文化を牽引してきた金の星社ならでは。創刊には島崎藤村、若山牧水、西城八十らが尽力し、雨情作詞・本居長世作曲で発表された童謡は「七つの子」「十五夜お月さん」「赤い靴」など、いまでも歌い継がれている。

現役作家の絵本原画、複製原画も並んだ。展示のそばには絵本も用意され、大人も子どもも、展示を見ては夢中で絵本を繰る姿が見られた。トンネルをくぐると、「かっぱ」が「ぱっかぱっか」走る馬になったり、「ロボ」が「ボロボロ」になったりする、言葉を遊ぶ絵本『へんしんトンネル』(あきやまただし作・絵)。「ぼく」の目線から様々な場面での「泣く」をみつめる『ないた』(中川ひろたか作・長新太絵)。ねずみにかじられて泣いていたじゃがいもさん。最後にねずみをやっつけたのはちいさなたまねぎさんだった、素敵なはり絵絵本『ちいさなたまねぎさん』(せなけいこ作・絵)など、絵の色彩と風合い、言葉の響き豊かな絵本たち。
そして金の星社のロングセラーの一角にあるのが、平和を考える本。戦争中に、上野動物園で三頭の象が殺された実話をもとに描く『かわいそうなぞう』(つちやゆきお文・たけべもといちろう 絵)や、著者の高木敏子さんの戦争体験がつづられた『ガラスのうさぎ』、北海の孤島のきつねの親子の元までも「戦争」は及んでしまった『チロヌップのきつね』(たかはしひろゆき文・絵)など、8月が巡ってくると思い出す名作たち。

展示のサブタイトルは「100年の笑顔・夢 100年先の未来も」。100年間子どもの世界を一つ一つ積み上げ、守ってきた会社だからこそ、この言葉はとても重くあたたかい。一冊一冊の絵本が何を語りかけるのか。その声が、未来をつくる。
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