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更新日:2019年8月30日 / 新聞掲載日:2019年8月30日(第3304号)

第一六一回 芥川賞・直木賞 贈呈式開催

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左から直木賞の大島真寿美氏、芥川賞の今村夏子氏

八月二十三日、都内にて第百六十一回芥川龍之介賞、直木三十五賞の贈呈式が行われた。

『むらさきのスカートの女』(朝日新聞出版)で芥川賞を受賞した今村夏子氏と、『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』(文藝春秋)で直木賞を受賞した大島真寿美氏にそれぞれ賞が贈られた。

芥川賞の選考委員である髙樹のぶ子氏は以下のように講評を述べた。
「受賞作は、むらさきのスカートの女をストーカーのごとく黄色いカーディガンの女が追いかける小説です。この二人の女は果たして同一人物なのか、別々の人物なのか。私は、語り手の女が自身の願望を反映させ、むらさきのスカートの女を作りだしたと解釈しております。

私は今回で芥川賞の選考委員を降りますが、最後に今村夏子さんという才能を送り出せたことは本当に幸せだと思っています。長い間ありがとうございました」。
つづいて、直木賞の選考委員である宮部みゆき氏は次のように挨拶した。
「大島さんの作品は人形浄瑠璃作家の近松半二の一代記です。構えて読まなければならないと思う方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。誰が読んでも楽しく、人生を捧げてもいいぐらい愛するものに巡り合えた人がどんなに幸せか、しみじみと伝わってくる小説です」。

芥川賞を受賞した今村氏は受賞の喜びを、友人から寄せられたメッセージを紹介しつつ語った。

「この度は素晴らしい賞を頂戴し、大変光栄に思っております。今回の受賞で一番嬉しかったのは、音信不通になっていた同級生から久しぶりに連絡が届いたことです。「まさか小説家になっていたなんて、おめでとう。好きなことが見つかってよかったね、嬉しいよ」というメッセージに、私は「ありがとうね、ぼちぼち頑張るよ」と返しました。たったこれだけのやり取りでしたが、何か大きなプレゼントを貰ったような気持ちになりました。「好きなことが見つかってよかったね」という言葉は初めて言われました。この言葉をずっと大切にしたいと思います。

受賞しなければ彼女がメッセージをくれることもなかったと思うので、本当に良かったです」。

直木賞を受賞した大島氏は、自ら描いた主人公・近松半二の生涯を引き寄せながら、今の想いを表現した。

「私は書くのが本当に好きだというただ一点を信じて、ずっと書いてまいりました。大して売れないのにそれが許されたのは、色々な方の力のおかげだと思います。改めて、全ての方々へお礼を申し上げたいと思います。

『渦』は文楽あっての小説です。そして文楽は世界の宝だと確信しています。近松半二が死ぬまで書きつづけたように、私も地道に淡々と一行一行これからも書きつづけていきたいと思います」。
この記事の中でご紹介した本
むらさきのスカートの女/朝日新聞出版
むらさきのスカートの女
著 者:今村 夏子
出版社:朝日新聞出版
以下のオンライン書店でご購入できます
渦 妹背山婦女庭訓 魂結び/文藝春秋
渦 妹背山婦女庭訓 魂結び
著 者:大島 真寿美
出版社:文藝春秋
以下のオンライン書店でご購入できます
「渦 妹背山婦女庭訓 魂結び」出版社のホームページはこちら
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