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更新日:2019年9月17日 / 新聞掲載日:2019年9月13日(第3306号)

岩波書店 新企画発表会 開催

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サンキュータツオ氏
九月二日、都内にて岩波書店の新企画発表会が開催された。代表取締役社長である岡本厚氏があいさつを述べた後、日本語学者であり、お笑い芸人でもあるサンキュータツオ氏が講演を行った。

「僕は大学院の頃から国語辞典に興味を持ち始め、色々な種類のものを集めるようになりました。国語辞典というのは、言葉に興味をもったり本を読んだり、相手を思いやる際に持つものだと思っています。言葉は人とコミュニケーションを取る際の道具で、その使い方を教えてくれるのが国語辞典だからです。

国語辞典に対する興味や、言葉に対する意識はここ十年でかなり高まっていると思います。それは、正しい日本語を求めている人は多いものの、これが正しい日本語であると言えないからだと思います。国語辞典を作っている先生方は、その正しさがない中で、最適解を見つけようと必死に頑張っています。

日本の小型国語辞典の面白いところは、編集方法がバラバラな点です。これはすごく幸福なことで、使う人の用途や属性、ニーズに合わせた国語辞典が必ず存在するということです。僕は分かりやすいように、すべての国語辞典を擬人化して考えています。例えば、日本で一番売れている『新明解国語辞典』は、パーカーを着て親しみやすい感じの秀才、新語の出し入れが一番多い『三省堂国語辞典』は、今風の服を着たキャラクターです。大修館書店の『明鏡国語辞典』には、今っぽい感じの服装を着つつ、挨拶などがしっかりでき、文法にも詳しいキャラクターをイメージしています。そして、『岩波国語辞典』は、眼鏡をかけ、白いシャツにスラックスの学級委員長キャラクターです。

なぜ学級委員長イメージかというと、一番オーソドックスな辞典だからです。『岩波国語辞典』に載る言葉というのは、日本で定着した言葉です。また、ここ百年くらいの日本語を読めるように作るというのが前提となっているので、この辞典を引くと百年前の新聞でも読むことができます。

これから言葉を使いこなそうとする子供たちや、俳句など、趣味として言葉を味わおうとする大人たちでも、共通して手に取れる辞典が『岩波国語辞典』です。そういった意味でも、訴求力の高い書籍であると思います」。

新企画に関しては、取締役執行委員・編集局部長の坂本政謙氏が以下のように説明した。

「『岩波国語辞典』の第八版は、七版からちょうど十年を経ての改定となります。新しく二二〇〇項目を加え、その他全項目を見直した改定となっております。科学技術、スポーツ、介護、料理といった分野に目配りし、すでにある項目にも新しい語彙を加えました。

また、来年には岩波少年文庫が創刊七〇年、岩波現代文庫は創刊二〇年を迎えます。子供に限らず、幅広い年代層に楽しんでいただける少年文庫は、偶数月の刊行を予定しています。装丁や本文の組みなど、子供たちが手に取りやすいよう積極的な工夫をしていきたいと思っています。記念フェアは来年の七月を予定しています。現代文庫は、一月から装丁を一新して臨みます。柄谷行人『哲学の起源』や上野千鶴子『近代家族の成立と終焉』など、単行本刊行時に大きな話題を呼んだものが文庫として刊行されます。

最後に、十月四日には小社で初めて直木賞をいただいた佐藤正午『月の満ち欠け』を、『岩波文庫的 月の満ち欠け』として特別仕様で刊行します。こちらも、どうぞよろしくお願いいたします」。
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