理系・文系「ハイブリッド」型人生のすすめ 書評|江 勝弘(言視舎 )|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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【書評キャンパス】大学生がススメる本
更新日:2019年9月21日 / 新聞掲載日:2019年9月20日(第3307号)

江 勝弘著『理系・文系「ハイブリッド」型人生のすすめ』 

理系・文系「ハイブリッド」型人生のすすめ
著 者:江 勝弘
出版社:言視舎
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 今になって後悔している。高校時代、国語が苦手だからという理由で安易に理系を選択し、歴史や文学を学ぶ機会を、自ら手放してしまったことを。

しかし私だけでなく、ほとんどの人が、高校時代に理系と文系のどちらに進むかという選択を迫られる。そして、そのうちの多くが、自分の将来についてあまり深く考えず、教科の得意・不得意だけで、答えを出してしまっているのではないだろうか。

月日が流れ、受験を終える頃には、自分の文理選択が本当に正しかったかなんて、考え直す人はいなくなる。仮に考えても、「もしあの時あの子に告白していれば」くらいのレベルで、今更どうしようもないという結論にたどり着き、そこから進む道を変える人なんて少数だろう。

私は本書を最初に知ったとき、正直な気持ちを吐露すれば「高校生でもないのに今更理系・文系だなんて…」と思った。表紙に「AI」という言葉が含まれているから試しに手に取ってみたが、もしそれが無ければ、この本は今の自分には必要のないものだと決めつけ、手に取ることすらしなかっただろう。

しかし、本書を読んでみて思うのは、そうした文理選択を既に終えてしまい、自分と違う分野の学びの機会を、気づかずに失ってしまった人にこそ読まれるべきだということだ。特に、自分のように、タイトルを見て「今更理系・文系だなんて…」と思うような人に。

本書が全体を通じて伝えたいことは、理系や文系といったカテゴリーによって、無意識に生まれてしまった両者の間の壁を壊し、純粋に学ぶことを楽しむ、ということである。つまり、何事にも興味を持つことや、興味を持ったことを貪欲に学ぶことの恩恵や必要性を教えてくれるのだ。

それでもやはり、「今更自分の専門とは異なる学習をするのもな…」と思う人はいるだろう。しかし、たたみかけるが、そんなあなたこそ、この本を読むべきである。

私もそうだが、だいたい上記のように考える学生の中には、視野が狭いくせに、やたらと「海外と日本の違い」とか、「これからの社会で必要とされるスキル」だとかの、スケールの大きいことには関心を持つ傾向がある。だから本書を読むべきだ。本書はそれらの問いについてしっかりと答えを出してくれる。そして、そのために理系・文系という垣根を超えることがいかに重要かということを気づかせてくれるのだ。

最初に述べたように、私は後悔している。安易に理系を選択し、様々な学ぶ機会を、手放してしまったかつての選択を。

私はゲームクリエイターである。学生時代のバイトも、内定先もゲーム会社だ。ゲームを作るには、本当に様々な知識が必要とされる。高校時代に、歴史を学んでいたらと思うことがよくあるのだ。

きっとこれはゲームクリエイターに限らず、多くの職種でも同じなのだろう。幅広い知識を持つことは本当に価値あることだと思う。是非、本書を通じて、その必要性や素晴らしさに気づいてもらえたらと思う。
この記事の中でご紹介した本
理系・文系「ハイブリッド」型人生のすすめ/言視舎
理系・文系「ハイブリッド」型人生のすすめ
著 者:江 勝弘
出版社:言視舎
以下のオンライン書店でご購入できます
「理系・文系「ハイブリッド」型人生のすすめ」出版社のホームページはこちら
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