恋人た恋人たちはせーので光る 最果タヒ著|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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更新日:2019年9月28日 / 新聞掲載日:2019年9月27日(第3308号)

恋人た恋人たちはせーので光る 最果タヒ著

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二〇〇七年に中原中也賞を受賞した現代詩人、最果タヒの最新詩集である。タイトルに「恋人」とあるが、本作に収められている詩は簡単に「恋」「愛」と一纏めにできない何かを秘めている。例えば、「果物ナイフの詩」の冒頭。

人を傷つけるとき、ぼくにはどうしようもなく美しくなる部分が心にあって、嫌いにはなれない。

題名の果物ナイフを突きつけられた気分になる人は、何人いるだろう。さらに別の詩からもう一節、「4、5、6」の冒頭部分。

美しい棘を研いで、そうしてやわらかな筆のように作り変えて、誰かを撫でている。そんな人が嫌いなんだ。

具体的な「誰か」を想像した人は、自分の中に潜む棘を自覚したのではないだろうか。

あとがきで、最果は「言葉が本当に通じ合うことなんてない」と言い切る。「思いをはせることはできても、目の前のその人が、本当に言おうとしたことを完全に理解することなんてできない」とも。最果の詩の根源に通じるものが、この一冊に凝縮している。

また、本書には四三作の詩が集録されているが、各ページ全て掲載デザインが異なっている。言葉を味わうのはもちろんのこと、視覚でも楽しめる詩集となっている。
この記事の中でご紹介した本
恋人たちはせーので光る/ リトル・モア
恋人たちはせーので光る
著 者:最果 タヒ
出版社: リトル・モア
以下のオンライン書店でご購入できます
「恋人たちはせーので光る」出版社のホームページはこちら
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