益田ミリ著 わたしを支えるもの すーちゃんの人生|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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新刊
更新日:2019年10月5日 / 新聞掲載日:2019年10月4日(第3309号)

益田ミリ著 わたしを支えるもの すーちゃんの人生

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 〈折り返し、/なんて、思っていいのだろうか?〉
とはじまる、シリーズ第五弾。すーちゃんは40歳になりました。保育園で調理師として働き始めて3年。園児たちがシチューをパクッと食べているのをみれば、〈食べることは/信じることなんだ〉と感じます。けしてこの日々はわるくはない。だけど…。

大学時代のバイト先で社員だったさわ子さんに、誕生日を祝ってもらって、年上の友達とのこんな関係もいいなぁと思うと同時に、大人になると新しい友達ができないな…と少し将来が不安になったりもします。

〈恋がしたい/恋ってどうするんだっけかなぁ〉と夜道でつぶやくすーちゃん。

そしてもうすぐ45歳のさわ子さんの夜道は、定年まで働いた後、あたしの人生は…〈えっ終わんの?/いやいやいやまだあるでしょ〉〈なぜだろう、いつまでたっても自分の人生を生きている気がしない〉

周囲の人が入院したり、好きだった(結婚した)ヒトと3年ぶりに偶然会ってビールを飲んだり、傾聴ボランティアで初めて会うおばあさんとお話して、おばあさんの若い頃のことを想像したり、食欲のなかった園のみどり先生にスープを作ったら喜んで飲んでもらえたり、久しぶりに上京したお父さんと思い出のそば屋を探してみつからなかったり…。

そして決して楽しいとは限らないけれど、目をそらせない大切なことに気付いていく。わたしを支えるもの、そしてわたしが支えるもの。

〈人生は一度しかない〉というごく平凡な言葉がしみる。私たちは〈もうひとつの世界を生きることはできない〉。でもだからこそ大切なものがあって、〈生きていくって新しい明日だけじゃないんだなーって思うようになったの〉

やわらかくて、それだけにしわにもなりやすいこころの動きを、丹念にそっと畳んでいくような物語。
この記事の中でご紹介した本
わたしを支えるもの すーちゃんの人生/幻冬舎
わたしを支えるもの すーちゃんの人生
著 者:益田 ミリ
出版社:幻冬舎
以下のオンライン書店でご購入できます
「わたしを支えるもの すーちゃんの人生」出版社のホームページはこちら
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