【横尾 忠則】夢の再開は吉祥?「病気の終息宣言」と創造のムラムラ|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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更新日:2019年10月14日 / 新聞掲載日:2019年10月11日(第3310号)

夢の再開は吉祥?「病気の終息宣言」と創造のムラムラ

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タマの絵(撮影・筆者)
2019.9.30
 ???
2019.10.1
 昨日の出きごとが思い出せない。忘れたことは無理に想い出すこともあるまい。毎日が昨日の反復なんだから。

朝から東京医療センターへ。咽がつまって声が出にくい。吸入剤のせいか。喘息薬が他の臓器に与えた副作用であろう。

病院の帰宅後、腹部膨満感激しく、夕方、水野クリニックに駆け込む。病気疲労から腹部のガス漏れ怠慢が原因? プリンペラン錠で一発改消。

妻、有明のテニス観戦から9時帰宅。

夕食は相島がテイクアウトしてくれたインド料理のナンとカレー。
2019.10.2
 今朝は習慣化していた起床時の不快感はない。アトリエまで牛歩。路上でヤクルトおばさんがヤクルトをプレゼント。

オランダのドキュメント作家が映像作品を制作したいとの依頼あり。香港デモの渦中のギャラリーより個展の依頼あり。広島市現代美術館より、当館所蔵の自作を若い作家が模写して、その絵に描かれている場所で、パフォーマンスも行いたいが了解してもらえないかと依頼あり。躰の内部だけでなく外部も何かとコンフューズし始めてきた。
2019.10.3
 〈ホテルの喫茶ルームで清原和博さんのとっておきの話を聞く〉が覚醒と同時に記憶なし。〈郷里の実家に正装した実父母が訪ねてきて、絵を買いたいという。この二人を養父母に紹介する〉という実にトンチンカンな夢を見る。〈絵の所有者が絵具が剥落したので修復して欲しいと絵を持ってくる〉夢。

体調が悪かった間は夢を見なかったけれど、夢が再開したことは吉祥?
2019.10.4
 〈ドイツで手に入れた珍しいレコードの音源を日本のレコード会社で再現してもらう〉夢。〈郷里の隣町に住むという張本勲さんと掛布雅之さんの三人で深夜会うことになった〉夢の中では友達関係。

東京医療センターの鄭先生を訪ねて、自己診断の結果、本日をもって「病気の終息宣言」をしたいと提案。先生も「同意します」ということで1ヶ月の病状から離脱する。終息宣言はあくまでも躰の声に従ったもので、絵の制作への扉を開く動機にもしたいと考える。

大きいキャンバス2点に地塗りをする。久し振りの油絵具の香りにムラムラしてきた。ムラムラとは創造のエネルギーに他ならない。

夕食は体力補強のため自家製うな重。
2019.10.5
 〈駅のホームの線路上をゴリラが暴れながら走っているかと思うと、どこからか巨大なアナコンダがウネウネ。瀬古利彦さんの額にキリストが何かを塗ったが、別の東洋的な仙人が来て、拭き取って何かを頭髪に擦り込んだ。全員とはぐれて、ひとり外国のホテルでスマホもなく心細くなる〉という何度も見るパニック夢を見る。

今日の朝日新聞に書評が掲載されているが、書評以外の本はほとんど読まない変な読書生活を9年間送っている。

桂花でふかひれつゆそばの昼食のあと旧山田邸でお茶を飲みながら、この日記をここまで記す。
2019.10.6
 5時半起床。世界陸上ドーハ男子マラソンを観る。世界レベルから遠くなりにけり。

昨日に続いてタマの絵2点描く。文は精神を疲労させるが絵は肉体と魂を一体化させて、自然の摂理を体感させる。人や社会のペースではなくマイペース以外健康は約束されないということを今回の病気で学習させられた。(よこお・ただのり=美術家)
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