田原総一朗の取材ノート「「即位礼正殿の儀」」|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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田原総一朗の取材ノート
更新日:2019年11月4日 / 新聞掲載日:2019年11月1日(第3213号)

「即位礼正殿の儀」

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一〇月二二日に、天皇陛下が即位を内外に宣言する「即位礼正殿の儀」が皇居で行われた。

陛下は、おことばで、まず上皇が三〇年以上にわたる在位の間、国民の幸わせと世界の平和を願われ、いかなる時も国民と苦楽を共にされて来た、と強調し、それを国民に寄りそって全身で受け継いでいくという強い意思を示し、平和という言葉を三回くり返した。このおことばは、全面的に賛成で、しかも力みがなく、自然体であることがとてもよかった。

ただ、天孫降臨話に由来する高御座に陛下が立ち、首相を見おろす形をとったことや、三種の神器のうちの剣と璽(勾玉)が脇に置かれていることに、国民主権や政教分離原則にそぐわないのではないか、という意見が、新聞でもテレビでも紹介された。

少なからぬ国民は、こうした疑義は抱かなかったのではないか、と思うが、こうした問題が、新聞やテレビで取り上げられるのはよいことである。いってみれば、日本で民主主義が生きているという証拠である。

だが、心配なことがある。新天皇の次の世代の皇室の男性は悠仁さん一人しかいない。悠仁さんが天皇になると、皇統に属する男系の男子はゼロになってしまう、女性宮家を認めないと皇室が消滅してしまう恐れがある。

安倍首相も、そのことはもちろんよくわかっているはずだ。

だからこそ、令和になれば、そのことの審議をはじめることになっているのである。

そして、女性宮家の審議を行なう、ということは、当然ながら、女性天皇にまで及ぶことになる。

明治以前には、八人の女性天皇が実在していたのである。明治以後女性天皇が登場しなくなったのは、天皇は「陸海軍を統帥する大元帥」であり、女性は兵役に就けなかったためであった。

自衛隊には女性も参加できる。

それに、現憲法で男女同権となり、女性は選挙権も被選挙権も持つことになった。

だから、女性天皇、女系天皇も否定する根拠がなくなってしまったのだ。(たはら・そういちろう=ジャーナリスト)
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