【横尾 忠則】喉頭ガンと半ばきめつけ大作に挑む。絵に勝る主治医はない|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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日常の向こう側ぼくの内側
更新日:2019年11月4日 / 新聞掲載日:2019年11月1日(第3213号)

喉頭ガンと半ばきめつけ大作に挑む。絵に勝る主治医はない

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2019.10.21
 〈原郷ノ森ノヨウナ深イ森ノ中ニ何軒モノ家ガヒシメキ合ッテ建ッテイル。ソノホトンドノ家ガハリウッドノ芸能人ノ家ラシイ。ソノ家ヲ素材ニ自由自在ニ改造シテ、作品化シテモイイラシイ。コノ豪邸群ヲドウ料理スルカ? 相当ノパワーガ必要ダ〉という夢を見る。

新幹線内で閲覧できる雑誌「ひととき」で、豊島の野良猫を取材する予定だったが、まだ体調不十分なのでインタビューに変更。約2ヶ月振りで仕事関係者来訪。

成城漢方内科クリニックへ。家庭常備薬の処方。
2019.10.22
 天皇即位の礼。

一昨日から咽の異変あり。風邪かなと思って葛根湯を飲むが反応なし。風邪ではなさそう。首、肩、背まで痛む。原因不明の場合は大袈裟にイメージする。喉頭ガンではと。今日は祭日で病院は休み。妻は救急車を呼ぶ? と言うが急患ではない。喉頭ガンと半ばきめつけながらアトリエで大作に挑む。体内エネルギーの活力で喉頭ガンは治ったみたい。
甲斐野央さんと(撮影・徳永明美)
2019.10.23
 正午過ぎ野川のビジターセンターへ。雲ひとつない快晴の下のテラスで日光浴。10分もしないうちにサウナに入ったように額から汗が流れ始め、急いでアトリエに戻る。

以前千代の富士のために描いた化粧回しの原画がどうしても欲しいと本人から言われて三種類差し上げたところ、九重親方(元千代の富士)の生存中にオークションに出品。その1点はぼくのニューヨークのギャラリーが落札し、香港の美術館が購入した一件があるが、今度再び東京の古美術商が他の2点のうちの1点が千代の富士の関係者より持ち込まれたとのことで、本物かどうか鑑定の依頼を受ける。本物に間違いないが、こういう人だったのか。

SMBC日本シリーズ巨人VSソフトバンクが4連勝でV2を決めた。4戦目の6回にリリーフ甲斐野投手がマウンドに。今年入団したばかりの甲斐野が自らヒット、三振を奪い無事切り抜けた。こんな大事な試合に工藤はよくルーキーを起用したものだ。実は甲斐野はぼくの郷里西脇出身で、キャンプに入る前に会っているが、まさかの登板にびっくり。

1ヶ月振りでマッサージ。胸焼解消。
2019.10.24
 神津善行、善之介親子来訪。スペインから帰国中の善之介君の画集に文を書いたお礼にと。

このところ時間の進行がヤケに遅いのはなぜ? 暇っぽくしているからかな?

東京医療センターの角田先生が電話で「急性ガンなんて聞いたことがありません、安心して下さい」と。

イギリスの大英博物館の「タントラ展」の出品作品「シャンバラ」の1点を商品化(Tシャツ、携帯ケース、電車パスホルダー、トートバッグ等に使用)の承認依頼あり。過去にグレイソン・ペリーやバンクシーなどのアーティストも協力したとか。
2019.10.25
 神津さんは誤嚥でぼくも時々起こるので「ぜひこれを」とカプフィルムというローヤルゼリー粉末を持って来られる。唾を飲み込んだ途端起こることが多い。

飛び出して寝ていたせいか風邪気味。アトリエで大作に挑戦。汗まみれになったら、風邪気味ケロッと解消。やっぱり絵に勝る主治医はない。
2019.10.26
 不眠症ぽさはいつの間にか解消されたけれど、逆に昼間、眠くて仕方ない。そーいう時は絵を描くことにしているが、筆を持つとまた眠くなる。

この間からの大雨続きで庭の金木犀が全部散ってしまった。
2019.10.27
 いくつか立て続けに夢を見たのでノートに記述したけれど、そんな形跡はどこにもないということは、このこと自体が夢だったような気がする。

描きたくないけれど、時間はたっぷりあるので、タマの絵を描く。嫌や嫌や描く絵はどんな絵になるのだろう、と試しにやってみる。意外と自由奔放に描いたような絵になる。この気分で今度大作を描いてみよう。(よこお・ただのり=美術家)
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