彼の存在を証言するのは私のこの文章だけである|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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更新日:2019年11月4日 / 新聞掲載日:2019年11月1日(第3213号)

彼の存在を証言するのは私のこの文章だけである

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イタリア文化会館での、竹山博英さん、小野正嗣さんのレーヴィの詩をめぐる対話は、深く心に訴えかける内容だった。生前のレーヴィと言葉を交わした竹山博英さんは、「実際の彼の人柄に接して安心してしまった」のだと、彼の心の重荷、自責の念をわかりえなかったことへの後悔がまだ心の中にあるのだと語った。
レーヴィの帰還の旅を描いた『休戦』の「大収容所」の場面では口がきけず、名前もないアウシュヴィッツの子供・三歳のフルビネクが登場する。フルビネクは仮の呼び名で彼には名前がなかったが、その細い腕には入れ墨が刻印されていた。
そして「彼の存在を証言するのは私のこの文章だけである」とレーヴィは記す。『休戦』の巻頭には本書所収の詩「起床」が掲げられている。訳者である竹山さんの講演を聞き、レーヴィの詩の言葉の重みを実感した。(T)
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