第29回Bunkamuraドゥマゴ文学賞授賞式|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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更新日:2019年11月8日 / 新聞掲載日:2019年11月8日(第3314号)

第29回Bunkamuraドゥマゴ文学賞授賞式

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小田光雄氏㊧、鹿島茂氏
第二九回Bunkamuraドゥマゴ文学賞の授賞式が十月十六日、東京・渋谷のBunkamuraで行われた。本年は鹿島茂氏の選考により、小田光雄著『古本屋散策』(論創社)が受賞した。

贈呈式で鹿島氏は、「書店に行くとなんという本の多さ。無限に本が刊行され続け、どんどん本が売れなくなっていくという、絶対的矛盾の根源を洞察した本がないか、と思いました。ふと手元にあった小田さんの『古本屋散策』を読んでみると、ほぼ同じ問題意識が抱えられていた。現代的な流通網がいつ作り出されたのか、いずれ崩壊するかもしれない。そうであればそれ以前の、流通システムに乗らないマイナーな出版社が、多くの文学史に残る名作を生んできた過程、今日のマイナー明日のメジャーの心意気に戻るべきではないか。飢える自由を選択した出版人がいかに仕事をしたのか。彼らの仕事は古本というかたちで残り、その価値を見出す人間がいることで報われると。本書を文学賞に選ぶとしたら私しかいない。これを選ぶことで、飢える自由を選び取った無数の人たちに報いることができるのではないか。本書はマイナーも視野に入れた、ありとあらゆる出版文化史を描く、初めての本だと思います」と話した。

小田氏は「中学生の頃に「売れない物書き」になりたいと考え、その夢が実現し、長きに亘って覚めない状況が続きました。このへんで自著を刊行するのはおしまいにしようかと思っていた矢先に、受賞の報せがもたらされました。鹿島さんは『古本屋散策』と併走して書いてきた『出版状況クロニクル』にもふれて、「社会構造からみる出版流通の視点」と評してくださいました。これは十年以上に亘って、出版業界の現在における分析と未来予測を目的として書いてきたものですが、問題は理解されないまま、現在の深刻な出版危機を招いています。なおうれしいことは、「古本夜話」として連載してきた千編以上のブログ連載が、『近代出版史探索』として、刊行が予定されていることです」などと話した。
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