多田尋子著 多田尋子小説集 体温|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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更新日:2019年11月23日 / 新聞掲載日:2019年11月22日(第3316号)

多田尋子著
多田尋子小説集 体温

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 夫を亡くし、両親も見送った生家で娘の百合と二人で暮らす率子(「体温」)。家族の誰とも血が繋がっていない事実と秘めた思いを胸に上京し「ひとりで生きていくのが目的の人生」を送る素子(「秘密」)、たった一人の家族であり〈瘤〉でもあった母を看取り、古道具屋の店番を始めた計子(「単身者たち」)。いずれも四〇絡みの、生きてきた人生相応の翳りをまとう女性たちが登場する。毎朝固く絞った雑巾で廊下を拭き、食べていかれるだけの仕事をし、大晦日にはお節料理を拵えて雑煮を一人で食べる。それぞれの日々を生き、それ以上ひとを恋しがらず、不在に慣れていく。「他者」の温もりに心波立つ日があっても――。「まわってきた運命のとおりに動くのが、やはり自分には向いている」(「体温」)。距離をおいてこそ感じとれる温もり、人生の機微と惑い、心の揺らぎを清潔な筆致で描く。歴代最多六度芥川賞候補となった著者の恋愛小説集が復刊。(四六判・二二四頁・本体一八〇〇円・書肆汽水域)
この記事の中でご紹介した本
多田尋子小説集 体温/書肆汽水域
多田尋子小説集 体温
著 者:多田 尋子
出版社:書肆汽水域
「多田尋子小説集 体温」は以下からご購入できます
「多田尋子小説集 体温」出版社のホームページはこちら
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