【横尾 忠則】「この続きはいつか」未完のまま去る公開制作|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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更新日:2019年12月9日 / 新聞掲載日:2019年12月6日(第3318号)

「この続きはいつか」未完のまま去る公開制作

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横尾忠則現代美術館にて公開制作(撮影・井上佳那子)

2019.11.25
 UGGのアパレル商品(フード付トレーナー、パンツ、Tシャツ、スニーカー)を70年代制作の版画(ワンダーランド)をアメリカ在住のフランスの女性デザイナーがアレンジした商品サンプルができて持参。来年2月に世界発売が決定。中々上出来だが、自作を着るのは勇気がいる。作品は羞恥心の露出でもあるからだ。

夕方、シャンプーにjabへ。ついでにマッサージも。
2019.11.26
 愛知県美術館館長南雄介さん、東京都現代美術館の藤井亜紀さん、午前中から夕方7時頃まで話す。2人とは2002年の都現美の「森羅万象」展以来の交流が続く。本人以上に作品を知る人達である。
2019.11.27
 AM10:09発のぞみ109号で新横浜発、新神戸へ。妻、徳永同行、昼はホテルオークラ神戸で。昼食後、目下開催中の「自我自損」展を観る。脈絡のない作品が並ぶ会場はグループ展のよう。滝のポストカードのインスタレーションはよくできている。展示作品は自選だが、その展示は学芸員の山本さん(館長補佐)。

夕刻近く、新設予定の横尾忠則コレクションギャラリーの計画案の実地検証を蓑館長を交えて。

夕食は蓑館長・山本理事長、田中分館長と和黒・北野坂本店で。明日の公開制作のためのエネルギー補給。ホテルオークラにチェックイン。
2019.11.28
 今日の公開制作のアイデアが決まらず不眠気味。9月の入院以来、最もハードな制作になるだろう。

制作前にもう一度、展覧会を鑑賞。

10時から公開制作。緊急企画で十分の宣伝もないままのスタートだったが、想像以上の来客に驚く。12時の昼食時頃にはどこで情報を得たのか観客が増える。午前中100号を未完のまま完成。午後は150号に取りかかる。イメージがないまま進行する。何をしようとしているのか自分でもよくわからない。見ている人はもっとわからないだろう。一応3時に制作中断。未完のまま引き上げる。「この続きはいつか」と言い残して会場をあとに、新神戸駅へ。

6時14分新横浜駅着。雨。いやな予感。雨の日はおでんが外出しないので――。やっぱり予感的中、またまた布団の上でやっちゃった。
2019.11.29
 今季最低気温。午前中に整体院へ。昨日の公開制作で腕と腰のダメージをもみほぐしてもらう。

午後、「アトリエ会議」(朝日新聞)、保坂和志さん、磯﨑憲一郎さん、編集長野波健祐さん、、中村真理子さん、河出書房新社の岩本太一さん、カメラマン斉藤順子さん来訪。ますます難聴激しく、こういう座談会はかなり難航する。保坂さんからプレゼントされた白板で手話ならず書話で話す。もう立派な社会的身障者なり。夕食は寒いので外食を避けて、椿から出前を取る。
2019.11.30
 今朝の朝日の書評は横組。気付かなかった人もいるんじゃないかな。

午後、山田洋次さんが突然現る。別に用があるわけではない。「描きかけの絵をこうして見るのもいいですね」と言われるが、描きかけではなく、すでに完成しているんですがねえ。

帰路、お巡りさんから自転車灯をつけるのを忘れており、注意される。しばらく立ち話をしながら、盗難事故の情報を得る。
2019.12.1
 〈銭湯ノ湯舟ニツカッタママヒゲヲ剃ル。学校ノ教室デ話ヲスル。大キイ建物ヲ出テ、2、3時間後ニジャケットヲ忘レタコトニ気ヅイテ、取リニ帰ル。交差点デ電話機ヲ探ス。淡島千景サンガ着物ヲ着テゴロット横ニナッテイル。映画出演ノ話ヲ断ワル。死ンデ死後ノ世界ニ入ル〉。そんなコラージュのような夢を見る。

もう12月になったことに驚く。一日は赤飯と鯛。

昼、神戸屋で神津善行さんと昼食。(よこお・ただのり=美術家)
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