【横尾 忠則】夜の一本道の真上に貼りついた満月。失踪者の夢と黒猫失踪事件|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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日常の向こう側ぼくの内側
更新日:2019年12月25日 / 新聞掲載日:2019年12月20日(第3320号)

夜の一本道の真上に貼りついた満月。失踪者の夢と黒猫失踪事件

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アトリエにてマッシュ・ウォルドマンさんと(撮影・徳永明美)

2019.12.9
 未完のまま放置している絵を、そろそろ完成させようかなと思っている時、ふとアイデアが浮かび、一気に完成させてしまう。

月曜日は週の仕事始めだからか、メールが沢山来ている。仕事の依頼などもあって、ザワザワする。

今年の日本建築学会賞の武松幸治さん来訪。神戸の美術館に新設予定のコレクション・ギャラリーの構想を伝える。

うっかり柿の種を飲み込んだ。心配になって鄭先生に電話。心配ないけれど老齢者は用心第一と。

川口市の氷川神社の鈴木宮司さんから正月行事の何やかやが届く。

歯の痛みは肩のコリではと自己診断してマッサージへ。少し痛み和らぐ。
2019.12.10
 おでんが家の中で走り廻る。怪しい、オシッコかもと外に出すと、やっぱり。

八重洲の新丸の内ビルの壁面を滝のポストカードを拡大して飾るプロジェクトに取りかかっているが、途中の進行状況の報告に、榎本了壱(プロデュース)さんとスタッフ来訪。

『週刊金曜日』、死生についてのインタビュー。
2019.12.11
 NYの友人ミルコが企画した世界のポスター巡回展を日本で開催したく、協力して欲しいと代理のマッシュ・ウォルドマンさん来訪。

ポプラ新書で『病の神様』(文春文庫)を出版したいとゲラ持参。医療問題を批判した文は削りたいという。医療ミスが社会的問題になっているというのにこの判断は逆行。
2019.12.12
 〈ココハ、ニューヨーク、香取慎吾君ガライブペインティングヲスルトイウガ何ノ準備モデキテイナイ。人ダッテ一人モ集マッテイナイ〉という夢。

梅宮辰夫さん死去。その昔、梅宮さんが東映時代、雑誌(忘れた)で対談。健さんの話題で終始。

DBSSというアパレル会社の深民尚社長が、絵を使用した衣服数着出したいと。既に内外から同種の商品が進行中。色んなメーカーから出るのも面白い。

神戸から、林さん、「兵庫県立横尾救急病院」展のカタログのデザインをデザイナーの白井敬尚さんと持参。

夜、満月。夜はいつも通る一本道の真上に貼りついたように出る。

山田洋次さんが、「男はつらいよ お帰り 寅さん」にぼくの発想したコンセプトとアイデアを流用。抗議する。映画界は平気でパクリが横行しているのでアイデアは絶対しゃべったら駄目と映画通は言う。仕事と友人は別問題、ひとつにしないで貰いたい。
2019.12.13
 〈行方不明、失踪者ノ若者ニ会ッテ現在ノ様子ヲ聞ク。親ハ生死ノ心配ヲシテイルガ、本人ハ現状ニ満足シテイルト話ス〉

テレビで犬の想いを察知する能力のあるアメリカ女性と日本の犬数匹と無言の会話をする番組を見た。犬は人間以上に感情が豊かで愛そのものの生きていることがわかり、スタジオに集まる大の大人が全員泣いている。感動的番組だった。
2019.12.14
 エッセイ仕事たっぷりかかえて神戸屋で書く。

歯の痛み取れず。自然治癒で治そう。
2019.12.15
 近所の黒猫失踪。10日前にぼくのベッドルームで寝ていた。連れの猫もいた。飼主に連絡するが、「あり得ない」と判断したのか聞く耳持たず。

FBI捜査官が、失踪者の足跡を追う。女生徒が殺害されたが、殺害方法ばかりに関心。深夜にオシャレして外出した女生徒の「なぜ」を調査するのが先決だと思うが、原因より結果に意味を求める風潮は他のケースも同じ。(よこお・ただのり=美術家)
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